2012 Fiscal Year Research-status Report
環境センサー向け超微細・超低電力アナログLSI複合評価技術の研究
Project/Area Number |
24560411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
中武 繁寿 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (10282831)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アナログIC / 環境発電IC / 環境センサー / 低電力アナログ / アナログIC評価 / 低電力オペアンプ / 計装オペアンプ / ADC |
Research Abstract |
平成24年度においては、環境発電型センサーICを題材にし、MIM型オンチップ容量による独立電源を利用して、ある一定時間の間、nAクラスの基準電流回路とオペアンプを動作させるための基本的な回路技術について研究を行った。 基準回路とオペアンプ回路は、CMOS 65nm/3.3Vプロセスで設計し、シミュレーションにより動作解析を行った。1μF のMIM型オンチップ容量に接続するpMOSトランジスタのリーク電流として回路に電源供給することにより、約1時間の安定動作が確認できた。また、DC利得、スルーレイトの解析を行い、駆動能力不足を次年度の研究課題とした。 さらに、nAクラスの測定するために、測定回路及び測定器を通して温度補償するための技術について研究を進めた。微少な電流や電圧を測定のための環境は、環境センサーそのものにも応用できる技術である。本研究では、10nA、10mV以下の入力を信号解析するための計装オペアンプとアナログ・ディジタル回路の設計について研究を行った。特に、10mVを100倍増幅する計装オペアンプを構成するためには、オフセット電圧について高い相対精度をもつオペアンプ対が必要になるが、このためトランジスタ・アレイ方式による製造ばらつき抑制技術に加え、新たに温度補償に関する相対精度向上技術を採り入れ、新しい計装オペアンプ設計手法を開発した。H25年度にはその試作及び評価を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、初年度はアナログICのプロトタイプ技術および基準回路の設計評価に留まっていたが、実際には環境発電システムの構成、及びナノワットクラスの基準回路、オペアンプの設計、測定環境のための計装オペアンプの設計まで進めることができた。これによりH25年度は、より具体的な環境センサーを対象として試作・評価が進められる。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度には、より具体的な環境センサー向けのアナログフロントエンドシステムの試作・評価が可能になる。しかし、これまで利用してきたCMOS 65nmプロセスが閉鎖されたため利用できず、試作する上での製造プロセスに選定には苦慮している。環境センサーを対象とするため、130nm、180nm製造プロセスでも十分に性能が期待できるので、そのプロセスノードの選択も検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度の人件費にあてる。
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