2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境センサー向け超微細・超低電力アナログLSI複合評価技術の研究
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24560411
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
中武 繁寿 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (10282831)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 計装アンプ / センサー / オペアンプ / レイアウト / 統計的シミュレーション / 製造性シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに環境センサーに利用する計装アンプの設計・製造を行い、統計的シミュレーションに基づく製造性評価手法の開発を進めてきた。またこれらの計装アンプに接続するADCの設計を行い、センサーモジュール向けのアナログ・フロントエンドモジュールの開発を進めてきた。 平成26年度では、これらの計装アンプとADCを搭載する小型センサーモジュールを開発し、実際のセンサーシステムにおける評価を行った。具体的には、このセンサーモジュールは、広域火災現場に散布され、現場の酸素濃度分布データをリアルタイムに生成する機能を持つ。通常、センサーネットワークのノード数分のセンサーモジュールの製造は高価となるが、本研究で得られたチップ評価手法を導入することにより、低コストで高信頼なセンサーICを製造することができる。システム的な評価を行うためにプロトタイプを開発した。プロトタイプにおいては、市販の酸化発熱剤を利用して温度と時間から酸素濃度を算出する方法を導入し、また既存マイコン製品を利用してセンサーネットワークを構成するための機能を実現した。簡易的な実験場において、プロトタイプのセンサーモジュールのセンシング精度と通信品質の点からシステム的評価を行った。評価結果においては、本研究で開発した計装アンプとADCの組合せの性能品質は、マイコンを利用した補正を導入することにより、実用的な品質が得られることを明らかにした。 以上の研究成果により、センサーモジュールに利用される高利得・高信頼な計装アンプの実現する方法の一つとしてレイアウト依存性を考慮した統計的シミュレーション手法を導入することにより、製造前に製造性を考慮した性能品質が検討でき、低コストなセンサーIC開発が可能となることが実証できた。
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