2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560413
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
植松 真司 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特任教授 (60393758)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シリコン / 不純物 / 拡散 / ホウ素 / 炭素 / イオン注入 / 安定同位体 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、安定同位体シリコン(28Si)と天然シリコンによる28Si(10nm)/natSi(10nm)周期構造(シリコン同位体超格子)試料に対して炭素とホウ素の共注入を行う実験を行った。その結果、炭素共注入によって電気的に不活性なBIクラスター(ホウ素原子とシリコン格子間原子から成るクラスター)の解離が遅くなり、不働態化したホウ素原子が増加するために、ホウ素拡散が抑制されることを明らかにした。また、炭素の拡散はほとんど観測されなかったことから、CIクラスターとなって不働態化しており、このCIクラスターからのシリコン格子間原子によってその濃度が増加したことも分かった。炭素原子は、シリコン格子位置を占めている場合には、シリコン格子間原子を捕獲することが知られているが、イオン注入した場合には、注入誘起の過剰なシリコン格子間原子とCIクラスターを形成してしまうために、炭素原子がシリコン格子位置を占めることができない。 最終年度は、この結果に基づき、ゲルマニウムを高ドーズで注入して同位体周期構造試料を予めアモルファス化した領域に、炭素イオン注入を行う実験を行った。イオン注入によってアモルファス化したシリコン領域は、アニールによって再結晶化し、その際、注入によって誘起された過剰なシリコン格子間原子はほとんど消滅する。そのため、注入された炭素原子は、CIクラスター化することなく、シリコン格子位置を占めると予測した。得られた実験結果から、これまでのアモルファス化をしない場合と比較して、シリコン自己拡散が抑制されることが分かった。これは、イオン注入した炭素原子がシリコン格子位置に入り、シリコン格子間原子を捕獲したためと考えられる。これによって、実際のプロセスで用いられている炭素共注入による不純物拡散抑制の機構を明らかにすることができた。
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Remarks |
研究内容又は研究成果に関するwebページはない。
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Research Products
(9 results)