2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24560422
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
水野 智久 神奈川大学, 理学部, 教授 (60386810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30271597)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子デバイス / 半導体物性 / マイクロ・ナノデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究業績は,1))ドープト二次元Si構造(2D-Si)におけるバンド変調の詳細解析,2)2D-Si物性への表面酸化膜応力の影響の解明,の2つにまとめられる.以下,項目ごとに詳細を述べる. 1)n+及びp+ドープト二次元SiのバンドギャップEGナローイング変調の実証.SOI(silicon-on-insulator)基板へのリン及びボロンイオン注入法を用いて,n+及びp+2D-Siを形成し,0.54nmのSi膜厚の極薄膜化をドープト2D-Siにおいても実現できた.フォトルミネッセンス法(PL)により,n+及びp+2D-SiのバンドギャップEGは不純物添加の無い2D-Siより低く,しかも3D-SiにおけるEGの不純物によるナローイング効果より小さいことが判明した.これは,不純物バンド構造においても2D化により変調され,より狭い不純物バンド幅が2D-Siにおいて達成されたことが原因と判明した. 2)2D-Si物性への酸化膜応力の影響.Siと酸化膜の膨張率の大きな違いにより,Siには酸化膜により大きな歪が導入され,更にSi層の2D 化により歪が増大する.UV-Raman分光により,その引っ張り歪の酸化膜厚TOX依存性を実証し,TOXの減少により引っ張り歪が緩和されることを明確にした.その結果,PL測定により,EGの歪存性が明確になり,歪の減少とともにEGが増大することを実証した.更に,EGの歪依存性は3D-Siの数倍にも達していることも明らかにした.応力緩和したEGは,第一原理計算結果と良く一致することも確認できた.このように,2D-Siでは応力の影響を大きく受けることが明確となった.以上の研究成果は,2014年度国際固体素子材料学会において2件,応用物理学会において4件の学会発表を行った.更に,Jpn. J. Appl. Phys.に2件の論文が掲載された.
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