2014 Fiscal Year Research-status Report
ミリ波帯漏洩波を利用した位置情報検出システムの構築
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24560428
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
辻 幹男 同志社大学, 理工学部, 教授 (50148376)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 漏洩波アンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
スタブ装荷リッジ導波管に関しては前年度にアレイ化の際に隣接アレイ間の相互結合の影響はなく、アレイファクターのみで設計可能なことが明確になったことから、実際のアレイ化に向けて励振部の影響および実験的検討を進めた。その結果、標準導波管からスタブ装荷リッジ導波管への変換部の反射損失を-30dB以下に抑制することが簡易的な変換部形状では困難であり、物体検知の形状、距離においても制約範囲が大きく実用的には問題のあることが計算結果および測定結果から明らかとなった。それゆえ、励振部の低損失化を精力的に進めていく。 さらに導波管については新たにTEおよびTM遮断モードの円筒導波管を交互に組み合わせることで右手/左手系複合伝送線路を構築することを提案し、その伝送、漏洩特性を明らかにした。この形状はTM01モードを用いることで同軸線路からの励振を容易にしており、また円筒導波管を複数個周方向に分割したリッジ扇形導波管のTE基本モードを用いることで、漏洩波アンテナを構成する際に必須となるバランス条件を満足させている。円筒導波管の管壁に設けるスロット開口の形状および周方向の数を調整することで放射方向を制御できる特徴を持つことから、周波数掃引によるビーム走査と組み合わせて具体的な応用に向けての放射特性の検討を進めていく。 また、右手/左手系複合平面回路線路については前年度にバランス条件を満たしつつ、単位セルの周期を変えることで周波数掃引の中心周波数をシフトできる形状を明らかにしたが、本年度は形状の簡易化の検討を行った結果、前年度の形状のように凹型突起部に方形ホールを設けなくても同様の特性が得られることを見出し、実験的にもその特性を確認した。 最後にアンテナ周辺回路としてマイクロストリップ線路を用いたオープンループ帯域通過フィルタおよび3dbラットレース回路の特性改善も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スタブ装荷リッジ導波管に関しては物体検知の数値計算および測定を進めた結果、本年度の目的の1つである低サイドローブ化、アレイ化以前の問題として励振部形状の低損失化が浮上し、この問題の解決に時間を要し、現状では-30dBの反射損失を達成しているが、更なる低損失化が必要である。このような励振部の問題および放射特性の自由度の大きさをもつ導波管としてTEおよびTM遮断モードの円筒導波管を交互に組み合わせた右手/左手系複合伝送線路を見出し、この線路の伝送、漏洩特性に精力を注いだことも遅れている要因の1つである。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの漏洩波アンテナについてアレイ化等によりビームの2次元走査を実現し、位置情報検知システムの構築をめざす。
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