2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560431
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
宮城 光信 仙台高等専門学校, その他部局等, 名誉教授 (90006263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 克全 仙台高等専門学校, 情報ネットワーク工学科, 准教授 (10361130)
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Keywords | 中空ファイバ / 赤外レーザ光 / 先端機能デバイス / レーザ治療 |
Research Abstract |
赤外レーザ光を用いる胃のポリープ除去治療では、胃壁表面の水分に吸収されてレーザ光が弱まるため、大きなレーザパワーが必要であり、また胃の上部治療のためには半径15 mmの曲げに耐える伝送路が要求される。しかし、現存の伝送路では対応できない。本研究では、この目的も含め、体を全く傷つけず、従来にない新規な「無侵襲」治療を実現するために、低出力でも優れた切開能力を有するEr:YAGレーザ光と、止血能力のある高出力CO2レーザ光を同時伝送可能な光学膜内装銀中空ファイバの導入を提案し、太径(内径0.7 mm)でも急峻に曲げることのできる、従来にない無侵襲志向の内視鏡用高機能・高強度中空ファイバシステムの実現を目的とする。 平成25年度は、高強度用ポリイミド膜外装中空ファイバの製作と評価を行った。平成24年度の研究成果を基に、ポリイミド膜外装中空ファイバの長尺化を図った。具体的な手段、方法およびその内容は次のとおりである。(1) 高強度用ポリイミド膜外装中空ファイバ(目標長さ1 m)のコーティング技術の開発として、簡易なディッピング法を用いた高強度ポリイミド膜の成膜技術を確立した。有効な保護膜の厚さは約20μmであった。(2) 高強度用ポリイミド膜外装中空ファイバの評価を行った。曲げ半径15 mm、曲げ角270°で曲げ、ファイバが破断した曲げ回数を強度の目安として測定した。従来の銀中空ファイバは、強度のばらつきが大きく、40回程度の曲げで折れることがあることが分った。高強度用ポリイミド膜外装中空ファイバは、約400回曲げることで折れた。ディスポーザブルな使用であれば、十分使用に耐えうることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請では、高強度ポリイミド膜が外装されている中空ファイバを用い、高出力赤外レーザ複合光(CO2レーザ光+Er:YAGレーザ光)伝送機能を有する無侵襲用内視鏡用中空ファイバシステムを開発する。平成25年度の技術課題は太い径のファイバで、曲げ半径15 mm、曲げ角270度を可能とする長さ1mの長尺な伝送路を製作するためのポリイミド外装膜の成膜技術であり、達成すべき数値レベルは次の通りである。(1) 高強度中空ファイバ用外装膜材料は高強度ポリイミドとする。(2) 高強度中空ファイバは、曲げ角270度、曲げ半径15 mmで使用可能とする。(3) 製作すべき中空ファイバの内径は0.7 mmとし、長さは1 mとする。平成24年度の研究成果を基に、ポリイミド外装中空ファイバの長尺化を図った。長さ1 mのV溝板を用い、V溝部でポリイミド溶液に浸すことでファイバに外装コーティングを行った。有効なポリイミド膜厚である約23μmを1回のコーティングで外装することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の計画として、赤外レーザ複合光伝送用中空ファイバの設計と製作を行う。人体組織に強く吸収され、効率のよい切開が可能なEr:YAGレーザ光と軟組織の止血効果を有するCO2レーザ光を同時伝送可能な高強度中空ファイバの製作を行う。高反射用光学膜として環状オレフィンポリマー(COP)を用い、膜厚を数十nmオーダーで精密に制御し、最適膜厚の成膜を行う。具体的な手段、方法およびその内容は次のとおりである。(1)光学膜コーティング技術の開発を行う。Er:YAGレーザ光、CO2レーザ光、並びに可視パイロット光の同時伝送に最適な光学膜厚の設計と最適膜厚の一様成膜技術を確立する。(2)赤外レーザ複合光伝送用中空ファイバの評価を行う。Er:YAGレーザ光、CO2レーザ光ならびに可視パイロット光の伝送特性、曲げ損失特性、耐久試験を行い、実用化の基礎資料を得る。 次に、赤外レーザ複合光伝送装置の構築と評価を行う。Er:YAGレーザ装置(切開用)とCO2レーザ装置(止血用)に高強度中空ファイバを組み込み、想定されるさまざまな形態に用いた時の伝送特性の評価を行う。初期の段階においては、内径0.7 mm高強度銀中空ファイバを使用する。従来の銀中空ファイバと比較し、透過率や曲がりの影響などについて詳細な評価を行う。実験は、Er:YAGレーザ光とCO2レーザ光、そして可視パイロット光の同時照射について行い、問題点を明らかにする。さらに高強度COP内装銀中空ファイバについても、その透過率や曲がりの影響などについて詳細な評価を行う。
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Research Products
(8 results)