2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560432
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
塩沢 隆広 香川高等専門学校, 通信ネットワーク工学科, 教授 (20455166)
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Keywords | 電波伝搬 / 3次元映像 / 電気光学効果 / 3次元モニタ / 電界 / 映像 |
Research Abstract |
本研究課題は、電気光学効果を応用して高周波電界を実時間で観察する装置である電界カメラにより得られたデータを基に、高周波電磁波動を効率良く実時間3次元(3D)映像表示する手法の開発を目標としている。 平成24年度は、電界カメラ、または、電磁界シミュレータで得られた3次元電界フェーザ,ベクトル情報を、3Dモニタに表示するためのソフトウエアの整備、より具体的には、3Dモニタを用いた電界(電磁波)の3D表示ソフトウエアの開発,整備を目標に研究を進めた。その結果、高周波電界の3D表示方法として、矢印表示(電界ベクトルの大きさを矢印の大きさ(長さ)で、電界ベクトルの向きを矢印の向きで表示する方法)と波面表示(波面をソリッドモデル*で表示する方法)の2つの手法の検討をおこない、同手法により3D表示するための左右視差像を作成するソフトウエアの開発をおこなった。これにより計画通り3D表示のためのソフトウエア環境が整備できた。また、3D表示の有効性を具体的に検証できた。 平成25年度は、これらの3D映像表示方法を高度化するとともに、現用の3Dモニタで(データ取得の処理を省き)実時間3D表示する手法の検討と予備的な開発を行った。実時間3D表示手法としては、オープンソースのグラフィックソフトウエアopenGLを用いて偏光メガネ方式の3Dモニタに表示する方法とマイクロソフト社のdirectXを用いて、NVIDIA社のグラフィックボードを搭載する液晶シャッタメガネ方式の3Dモニタに表示する方法の2つの方式が有望であることが分かった。 本年度の研究成果を3次元映像のフォーラム主催の研究会で報告し、会誌「3次元映像」に投稿した。また、研究成果の一部を国際会議で発表した。 * 立体を面の集まりとして扱い、陰影等を利用して立体感を与える手法
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で言及した様に、3次元(3D)モニタを用いた高周波電界(電磁波)の3D表示ソフトウエアの開発,整備を目標に研究を進め、矢印表示と波面表示の2つの手法による3D表示のための左右視差像作成ソフトウエアを開発した。また、3D表示の有効性を具体的に検証できた。また、データ取得処理を省く実時間表示手法の検討を行い、その見通しを得た。従って、予定通りおおむね順調に進展していると判断できる。 本年度の研究成果を3次元映像のフォーラム主催の研究会で報告し、会誌「3次元映像」に投稿した。また、研究成果の一部を国際会議で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、電界(電磁波)の実時間3次元(3D)表示に適した画像処理,表示方法を開発する計画となっていた。 平成25年度は、平成24年度の成果を基に、3D映像表示方法を高度化するとともに、現用の3Dモニタで(データ取得の処理を省き)実時間表示する手法の検討と予備的な開発を行った。実時間表示手法としては、オープンソースのグラフィックソフトウエアopenGLを用いて偏光メガネ方式の3Dモニタに表示する方法とマイクロソフト社のdirectXを用いて、NVIDIA社のグラフィックボードを搭載する液晶シャッタ方式の3Dモニタに表示する方法の2つの方式が有望であることが分かった。 平成26年度は、データ取得の実時間処理方法の検討,実時間3D表示の実装,表示方法の高度化を進める。具体的例として、特定の位置の電界を、自由に視点を変えながら観察すること、3次元画像上にマーカを表示し、波長を測定したり、高周波回路上の相対距離を測定したりすることなどが含まれる。また、これらの画像処理,表示方法に関する研究を進めながら、平面回路,アンテナ,アクティブモジュール,電磁波伝搬などの表示例を蓄積する。更に平成26年度は、研究成果をMICROWAVE WORKSHOPS & EXHIBITION (MWE) 2014で展示することを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題の遂行にあたり、予定より多くの研究費が所属研究機関より配分されたこと、予定になかった他の外部競争資金が得られたこと、研究補助員が予定より効率良く業務を遂行してくれたこと、また、直接購入ができない物品の代理店の調整が必要で時間的に当該年度に発注できない物品が発生したこと等により、次年度使用額が生じた。 平成26年度は、3次元(3D)表示の実時間化,高度化,表示例の蓄積等を図るので、このためのプログラム開発が必要となる。当初計画では、平成26年度にプログラム開発を分担する研究補助員の人件費を予定していなかったが、前年度未使用分を活用してこの人件費にあてる。この人件費には、依頼開発の謝金も含む。また、平成26年度は、学会発表等のための旅費等を使用する予定である。更に、前年度までに未購入の物品の購入を含めて物品費(備品費,消耗品費)を使用する。平成26年度予算計画は次の通りである。 物品費:700千円/旅費:340千円/人件費:1,154千円/間接費:240千円/総合計2,434千円
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Research Products
(9 results)