2014 Fiscal Year Annual Research Report
記録フィルム映像の修復のための信号処理アルゴリズムと映像修復システムの開発
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24560438
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 正英 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90312602)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 信号処理 / 映像処理 / 映像修復 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者は,古いフィルム映像の修復アルゴリズムの段階的な処理として,高精度な位置ずれ補正法,フリッカ除去法,ブロッチ除去法,スクラッチ除去法について提案してきた.位置ずれ補正法では,位置ずれの検出に位相限定相関を用いている.この位相限定相関法を理論的に解析することにより,サブピクセルレベルの高精度な位置ずれ検出を可能としてきた.また,位置ずれ補正法では,カメラワークの推定法を組み込むことにより,ほとんどすべての映像に対して位置ずれ補正が可能となっている.ブロッチ除去のための動き推定法では,移動物体上のブロッチを除去するために重要な動き推定を高精度に行う方法を提案してきた. これらについて,本研究では,位置ずれ補正法において平行移動だけではなく回転も含めた位置ずれを高精度に推定し,補正する手法を提案した.提案法では,回転角度推定のための座標変換において,座標変換関数の特性を考慮した窓関数を提案した.さらに,座標変換後の画像サイズをオリジナルの画像サイズを考慮して調整した.この手法により,サイズが1024×1024の画像において,回転角度の推定誤差を従来法の0.3倍にすることができた. また,ブロッチやスクラッチの除去について,ミッシングデータの修復手法について提案した.ここでは,ブロック単位で欠損した映像に対して,イメージインペインティングによる修復手法ならびに動きベクトルを考慮した補間・修復手法について実現を進めている.さらに,画像データをストラクチャ成分とテクスチャ成分に分離し,ミッシングデータ領域の周囲の画素の性質を利用して適切に初期化することで,物体の連続性を考慮した欠損領域の修復手法を提案した.
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Research Products
(8 results)