2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560444
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
斉藤 昭 電気通信大学, 先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター, 特任教授 (80536920)
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Keywords | アンテナ理論 / 多周波アンテナ / 集中定数素子 / 放射パターン / 電磁界解析 |
Research Abstract |
第1にアンテナ等価回路を用いた、所望の多周波で使用できる小型多周波アンテナの研究を行う。昨年度開発したシリーズ容量、シャントインダクタをアンテナ内に内蔵した2.5GHz/5GHz帯2周波アンテナの等価回路を用いて、0.86/2GHz帯の小型2周波設計・試作した。等価回路の解析から、シャントインダクタの損失が放射効率に最大の影響を及ぼすことを明らかにし、インダクタの線路幅最適並びにスパイアラル化を行い2周波とも実測総合効率50%以上を達成した。また2.5GHz/5GHz帯2周波アンテナの集中定数素子値をバラクタで制御することで、周波数可変の2周波アンテナを開発し、信学会で発表した。上記の等価回路は空間との結合回路・導体回路を独立にフィティングして求めたものであったが、集中定数素子内蔵の導体特性から空間との結合回路を導出する手法を導出し、導体特性のみからアンテナ特性を解析的に表現する手法の研究を行い、解決の目処を得た。第2に、放射パターンの制御方法を明らかにし、その応用としてアンテナ間の受信信号相関を放射パターン制御により低減しMIMO用アンテナアレイの伝送効率向上を図ることを目標とする。線路のみで構成されるアンテナ導体に関して、導体で導波される電磁界と放射電磁界の関係から昨年度導出したアンテナ入力インピーダンスの解析解の検証として、試作パターンを評価した。得られた実測値と解析式を数値計算したものと比較し、解析解は良い近似となっていることを実証した。さらに放射パターンの解析解も導出し、実測値と良く合うことを検証し、信学会及びAPMCで発表した。また2周波アンテナを2素子並べたアンテナのシミュレーション結果から、単方向性の放射パターンが得られ0.5以下の相関係数を得た。この相関係数の低下は伝送容量向上に有効であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1の所望の多周波で使用できる小型アンテナに関しては、2周波アンテナを実現する集中定数配置を改善し、小型でも高い放射効率が実現できる構成を開発した。また、内蔵素子値をバラクタで制御することで可変2周波アンテナを開発した。さらに集中定数素子内蔵導体の場合に関しても、アンテナ特性の解析式導出の目処を得た。第2の寄生素子を含む多体アンテナを用いた、MIMO用アンテナの研究で目標に挙げた近接した寄生素子を有するアンテナの等価回路モデルの実験的な検証を行い、実測値と解析値がよく合うことを示した。またこの放射パターンシミュレーション値で、伝送容量が改善できることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね計画通りに進捗しており、次年度も当初計画通りに研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は理論解析を中心にしたため使用予定額を下回った。 この金額を来年度に回し、試作を増やして実験的検証を加速し当初目標を確実に達成する。
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