2014 Fiscal Year Research-status Report
ロバストな次世代光・無線統合ネットワークのトポロジ設計とトラヒック制御
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24560447
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
橘 拓至 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20415847)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 通信方式 / ネットワーク設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,次世代光・無線統合ネットワークにおいて,障害や故障に強いロバスト性を考慮したネットワークトポロジの設計法とトラヒックエンジニアリング技術を確立する.本課題では,初年度である平成24年度に確立したトポロジ設計法を用いることによって,大規模光ネットワークに対して少ないコストで総伝送トラヒック量とロバスト性が共に向上するトポロジの設計が可能になった.しかしながら,この確立した方法では,統合ネットワークのトラヒックが増加するたびに,ロバスト性が悪化することになる. そこで2年目となる平成25年度は,ロバスト性を悪化させないようにデータの伝送量を制御するトラヒックエンジニアリング技術の確立に取り組んだ.光ネットワークに対しては,トラヒックの増加率をコストとした巡回セールスマン問題として定式化し,迂回経路を含んだ経路の導出を試みて,近似解導出による経路決定アルゴリズムを検討した.また,無線ネットワークに対しては,限られた伝送距離で広範囲にデータを伝送するためのデータ伝送技術を確立した. これら2年間の成果を基に,平成26年度は,光ネットワークにおけるトラヒックエンジニアリングの確立に取り組んだ.このトラヒックエンジニアリングでは,光ネットワークで使用される波長数などを考慮して準最適なトラヒックエンジニアリングを実現した.さらに統合ネットワークに対するロバスト性を考慮したトポロジ設計法の確立に取り組んだ.本方式では,すでに確立していた光ネットワークと無線ネットワークの最適化問題を組み合わせるのではなく,各最適化問題の一部に改良を加えた設計法を確立した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度に実施する研究内容は,当初の予定では,光ネットワークと無線ネットワークの統合ネットワークに対して,ロバスト性を考慮したトポロジ設計法とトラヒック制御技術を確立することであった. しかしながら,平成25年度に光ネットワークのトラヒックエンジニアリングを確立することが出来なかったので,まずは,このトラヒックエンジニアリングの確立に取り組んだ.このトラヒックエンジニアリングでは,光ネットワークで使用される波長数などを考慮する必要があり,最適なトラヒックエンジニアリングの確立が困難であった.そのため,計算時間も考慮して準最適なトラヒックエンジニアリングの実現を行った. 次に,統合ネットワークに対するロバスト性を考慮したトポロジ設計法の確立に取り組んだ.これまでに確立していた光ネットワークと無線ネットワークの最適化問題を組み合わせることで容易に本設計法が確立できると考えていたが,単なる組み合わせでは実現が難しかったため,一部に改良を加えて設計法を確立した. 一方で,トラヒックエンジニアリングについては全く検討することができなかった.それゆえ,平成26年度の研究達成度はやや遅れていると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,平成26年度に検討できなかったトラヒックエンジニアリング技術の確立に取り組む.光ネットワークで確立した最適化問題を利用した方式を拡張することで,本技術が確立できると考えている. また,本トラヒックエンジニアリング技術が確立することが出来た場合には,より現実に近い環境でのシミュレーション評価を実施し,これまでに確立したトポロジ設計法とトラヒックエンジニアリング技術の実環境での有効性を検証する.さらに,評価結果を基に,提案方式の改良を随時行う予定である.
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Causes of Carryover |
本研究では,ロバストな次世代光・無線統合ネットワークを構築するためのトポロジ設計法とトラヒックエンジニアリング技術を確立することを計画していたが,統合ネットワークを構築するための最適化問題の確立に時間がかかってしまった.そのため,統合ネットワークのトラヒックエンジニアリング技術の確立が十分に出来なかった.そのため,最適化問題の計算環境構築や成果発表分の使用額が未使用となり,次年度使用額が生じることになった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
統合ネットワークを構築する際に使用する最適化問題の計算用として,計算機1台を購入する予定である.また,シミュレーションを行うための計算機1台の購入も予定している.さらには,研究成果を発表するための旅費と情報収集のための旅費への使用を計画している.また,学会の参加費への使用も予定している.
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Research Products
(3 results)