2012 Fiscal Year Research-status Report
MIMOアンテナを用いた電波波源の位置と広がりを検出する高性能波源推定技術
Project/Area Number |
24560451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊間 信良 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40195219)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アンテナ / MIMO / 到来方向推定 / 角度広がり推定 / 波源位置推定 / 高分解能 / 車載レーダ / モーメント法 |
Research Abstract |
本研究では,車載レーダ等において目標物からの反射波の到来中心角とその角度広がりを推定する方法について検討を行った.システム構成としては,MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) アンテナに,Capon法,MUSIC法,DOA-Matrix法等の高性能推定アルゴリズムを導入したものである.平成24年度の具体的な成果を以下に記載する. (1) 簡単なリニアアレーアンテナを用いて遠方から到来する到来波の到来方向と角度広がりを推定するための解析モデルを構築した.そして,このモデルを用いたパラメータ推定法を考案し,その特性を計算機シミュレーションにより検討した.基本アルゴリズムはCapon法,MUSIC法,DOA-Matrix法であり,改良を加えることにより,角度と角度広がりの推定が精度良くできることが確認された. (2) 遠方から到来する到来波の到来方向と角度広がりを推定するためのアルゴリズムの検証のために,電磁波解析ソフトウェアを用いたシミュレーション実験を行った.このソフトウェアはモーメント法により電磁界問題を解くもので,目標物の電磁界分布を計算するために用いた.電磁波解析ソフトウェアをインストールした解析専用コンピュータを用いて現実に近い環境でシミュレーション実験を行った結果,提案手法の有効性を確認でき,また新たな問題点を探ることができた. (3) 波源位置推定用の2.4GHz帯モノポールアンテナから成る2~8素子アレーアンテナを製作し,ネットワークアナライザでアンテナのインピーダンス整合調整を行った.このアンテナシステムは次年度以降の室内実験に用いる予定である. 上記の提案方法は,車載レーダ用の信号処理手法として大きく期待される技術である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高分解能到来方向推定法を用いて目標物の到来方向と角度広がりを精度良く推定することが出来ている.角度広がり推定の精度をもう少し改善することが次年度以降の課題である.また波源位置推定についても従来法の改良を順調に行うことが出来,期待した特性が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
リニアアレーアンテナまたは平面アレーアンテナを用いて近傍から到来する到来波の位置を推定する解析モデルを構築する.そしてこのモデルを用いたパラメータ推定法を考案し,その特性を計算機シミュレーションにより検討する.基本アルゴリズムとしてはDOA-Matrix法と最尤推定法(EM/SAGE)を用いる.波源位置を表すスペクトラムのピークを探す探索型の場合,位置の特定にかなりの時間がかかるため,非探索型のアルゴリズムの考案が望まれる.従って,非探索型アルゴリズム中心に検討を行い,MIMO技術を導入しながら改良を行っていく. 近傍波源位置推定の検討においては,解析用パーソナルコンピュータ上でのMATLAB計算機シミュレーションに加えて,2.4GHz帯で電波暗室内実験を行う.それ故,平成24年度に製作した送受信アンテナと周波数変換器を必要に応じて再調整し,測定のための治具を製作した後,実験的に近傍波源位置推定法の検証を行う.また,実験結果から,提案手法の有効性を確認し,また問題点を探る.そして,提案手法の改良へとフィードバックする.さらに,金属板でコヒーレント電波環境をつくり,実際の環境を想定した実験を通して総合評価を行う.また,必要に応じて推定アルゴリズムの改良を行っていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費としては,データ解析用のコンピュータを購入する予定である.また,アンテナ製作用の部品や材料等の消耗品を購入する.旅費は国内および外国の研究成果発表に使用する予定である.その他,印刷費,論文投稿料などが挙げられる.
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Research Products
(16 results)