2012 Fiscal Year Research-status Report
時空間マルチホップ無線アクセス方式のテストベッド開発とITS応用
Project/Area Number |
24560455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
上原 秀幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00293754)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マルチホップ通信 / 無線アクセス方式 / スマートアンテナ / 高度道路交通システム |
Research Abstract |
本研究では、方向・指向性をキーワードに、物理層(アンテナ)、データリンク層(無線アクセス制御)、ネットワーク層(経路制御)の各要素技術とそれらの高度な融合により、有限な無線資源を有効活用できる通信制御方式とその実証機であるテストベッドの開発を目的としている。同時に、快適な車のネットワーク化を実現するために車々間・路車間通信へ応用することを目指している。初年度の本年はまず、UHF帯で車載可能な小形省電力の平面型スマートアンテナの設計・開発を進めた。これまでに申請者らの研究グループが開発してきたエスパアンテナを改良し、要求条件(半値角60度以下、絶対利得無指向性0dBi以上、指向性7dBi以上、分解能45度以下)を満たすアンテナ素子数、素子間隔、素子長などの形状と、前後比(FBR)などを指標として、仕様を決定した。電磁界解析した結果、H形のエスパアンテナが指向性利得7.6dBi、FBR22dBとなり、サイズはλ/2 x 3λ/32を得た。また、情報配信や情報伝送のもっとも基本的な手段となるフラッディング方式の特性を車々間および路車間環境で評価した。計算機上に格子状の道路モデルを作成し、自律走行する車両を配置した。電波伝搬モデルとしてITU-R P.1411-5を用い、建造物等による遮蔽の影響を考慮した。フラッディング方式として、再配信する際の処理の違いにより4つの方式(確率方式、カウンタ方式、距離方式、位置方式)を比較した結果、情報到達率、伝達遅延、および冗長削減率において、位置方式が優れていることが示された。他に、ヌル制御アルゴリズムの開発、ルーティング方式の実装に取りかかり始めたところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の実施計画としていた、車載可能な小形省電力の平面型スマートアンテナの基本的な設計および性能評価、解析がほぼ完了した。また、アクセス制御方式を開発するための準備実験として、車々間および路車間環境での各種フラッディング方式の特性評価を行い、次年度のための基礎データを取得できた。その他の準備も順調に進んでおり、以上のことから、本年度の目標を概ね達成できたと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を受け、当初の実施計画通りに、まずアンテナの試作を進める。また、指向性アクセス制御方式のために空間相関に基づくヌル制御アルゴリズムの開発とルーティング方式の実装も進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(8 results)