2013 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク符号化における線形誤り訂正符号の結合重み分布を用いた誤り特性評価
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24560458
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 融 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (70190098)
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Keywords | 誤り訂正符号 / ネットワーク符号化 / 性能評価 / 重み分布 / 結合重み分布 / ペア重み分布 / MacWilliamsの等式 / 復号誤り確率 |
Research Abstract |
(1)結合重み分布の計算法:前年度に考案した結合重み分布の計算法を基に、符号のトレリス構造の利用による共通計算の排除などアルゴリズムの効率化を図り、改良を行った。具体的には2つの符号語の結合重みの計算において、トレリス構造に基づき、共通の部分符号語対の結合重みの計算をうまく再利用できるアルゴリズムやデータ構造を設計した。これにより、必要な記憶量は増加するが、計算時間をかなり減らすことができる。 (2)ペア重み分布の計算法:符号語とその符号語の1ビット循環シフトした語の間に限定した結合重みの分布はペア重み分布と呼ばれる。当初予定していなかったが、この分布の計算法について、符号のトレリス構造を用いて、前項と同様に効率的に計算する方法を考案した。また、その計算法を実現するプログラムを試作し、計算時間の評価を行った。さらに、リード・マラー符号について、最小ペア距離と最小距離の関係を示した。ペア重み分布に関する知見は、結合重み分布の計算に役立つとともに、ペア重み分布本来の問題である高密度記憶装置の性能に関して知見を与える。 (3)各種の復号法についての評価アルゴリズムの考案とそれを用いた評価:ネットワーク符号化において線形誤り訂正符号を用いる場合について、これまでに、最尤復号法や準最適復号法をいくつか考案している。最尤復号法と一部の準最適復号法について、復号誤り確率の上界式や下界式の導出を行った。評価は今後行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の研究者との議論については、スケジュールの都合上、前年度十分にはできなかったが、結合重み分布の計算法やそれを用いた評価については順調に進展しており、当初予定していなかったペア重み分布についての成果を得ているため、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
スケジュールの都合上、前年度十分にはできなかった海外の研究者との議論については、今年度は実施する。また、残りの当初計画およびペア重み分布に関する研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外の研究者を訪問し、研究成果や関連研究について討論する予定であったが、双方のスケジュール調整がうまくいかず延期となったため。 今年度、7月頃に海外の研究者との討論を実施予定であり、その経費として使用する予定である。
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