2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560459
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯國 洋二 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80168054)
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Keywords | ハウリング / 除去周波数 / くし型フィルタ / FIRフィルタ / 除去帯域幅 |
Research Abstract |
1. くし形フィルタの除去帯域幅の設定 提案法ではハウリング基本周波数のみを推定し,それを整数倍することで高調波の周波数を計算する.これにより,周波数に比例して周波数推定誤差が大きくなる.従って,除去帯域幅一定の従来型のくし形フィルタを用いたのでは,高周波になるほどハウリング周波数とくし形フィルタの除去周波数とのずれが大きくなってしまい,ハウリング抑圧性能が落ちてしまう.そこで,距離推定誤差とハウリング周波数の推定誤差の関係を元に,各ハウリング周波数の推定誤差が一定の許容値を超えないように,高周波の除去周波数ほど除去帯域幅Δ_nを広くする方法を検討した.具体的には,マイクの受信信号を入力,除去帯域幅の設定係数を出力とするFIRフィルタを設計し,所望の除去帯域幅を実現するようにFIR係数を設定する方法を検討した. 2.くし形フィルタの除去周波数のゲインの設定 ハウリングの発生を抑えるためには,ハウリング周波数でのゲインを完全に0にする必要はなく,相対的に低く抑えれば十分である.しかも,ハウリング周波数は,主に第4高調波成分までであることを予備実験で確認していた.そこで,音声品質を保存するために,くし形フィルタの除去周波数の除去量が高周波ほど大きくなるように,周波数に比例して除去量を大きくなるように設定した.除去量は,除去帯域幅の制御方法と同様にFIRフィルタを用いて任意に制御する方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
くし形フィルタの除去帯域幅の設定,およびくし形フィルタの除去周波数のゲインの設定とも,予定通りの結果が得られた.ただし,除去周波数に比例して除去量h_nが大きくなるようにh_n=an+bとし,定数a, bをMOS評価に基づいて決定する予定だったが,それら定数は所望信号の特性に大きく依存するため,除去量の増加量は経験的な方法で決めた.
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Strategy for Future Research Activity |
距離測定アルゴリズム,ハウリング基本周波数推定アルゴリズム,およびくし形フィルタをFPGA上に実装する予定だったが,FPGAの使用経験のあるスタッフが転出したため,処理アルゴリズムの計算手順を工夫するとともに近似を導入することにより,一般のDSP上に実装する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
FPGA上に実装する予定だったが,FPGA使用経験のあるスタッフが転出したため,一般のDSP上に実装することにした.これにより,新たにFPGA開発環境を整えるため費用を支出する必要がなくなった.また,研究を実施していた博士課程学生が短期修了により卒業し他大学に就職したため,旅費,および別刷代を支出しなかった. DSPで実験するための環境を整えるためのソフトウエア購入費用を支出する.また,2名の修士課程学生が新たに研究に加わったため,その研究成果を発表するための旅費,別刷り代を支出する.
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Research Products
(4 results)