2012 Fiscal Year Research-status Report
データ圧縮された領域でのセキュリティを考慮した画像・ビデオ信号処理法
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24560468
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
貴家 仁志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40157110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 情報通信工学 / 情報システム |
Research Abstract |
画像圧縮法の国際標準規格の一つであるJPEG及びJPEG 2000符号化法を中心に、圧縮符号化法と暗号化の関係について検討を行った。特に、視覚的情報の保護という観点から研究を進め、今後の研究に繋がる幾つかの有益な知見を得ることができた。 第一は、視覚的情報の保護領域における画像透かしに基づく画像トレーディングシステムの構築である。これは、画像圧縮法に用いられるDCTやDWTの変換係数の正負符号を制御することによって、第3者に画像の視覚的情報を与えずに、その第3者に電子透かしの操作及び画像情報の管理を依頼することを可能とするシステムである。本年度は、原理的な有効性を確認できたので、今後は画像劣化のより少ないシステムの考察を予定している。 第2は、視覚的情報の保護領域における、新しい顔認証法の開発である。顔に代表される生体情報は、極めて慎重に扱われるべき個人情報である。信号のスパース性を利用することによって、新しい顔認証法の着眼に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究概要に記述したように、初年度に実施予定であった研究環境の構築及び研究動向調査に加え、2つの重要なテーマの進展があった。研究テーマとしては、まだ多くの検討課題を有するが、今後の研究に繋がる大きな進展であり、初年度として順調に進展していると判断される。またこれらの成果は、学会講演論文として発表され、他の研究者からも一応の評価を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の研究実績を受けて、今後の研究の推進方策を次のように考えている。 (a)研究成果の中間報告。24年度研究成果に対する検討を進め、学会発表及び論文執筆を行う。 (b)研究動向調査。本研究は、複数の研究分野にまたがる融合分野に属する。したがって、各分野のトップ研究者が集まる国際会議に出席し、世界の最新動向を調査する予定である。また同時に、これまでの研究成果及び研究の方向性について意見交換を行い、完成度の高い研究成果となるように努める。 (c)圧縮された画像間の類似性。圧縮され、かつ暗号化された画像から画像同定及び検索を行う研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に多少の変更があり、未使用額が発生した。 次年度の研究費の使用計画は次の通りである。 (a)研究成果の公表及び研究動向の調査:各分野のトップ研究者が集まる国際会議に出席し、これまでの研究成果の発表を行い、意見交換を行う予定である。また同時に最先端の研究動向調査を行う。したがって、会議参加費、旅費及び資料購入などに研究費の一部を使用する計画である。 (b)引き続き試行実験及び評価実験を行うために、ソフトウエアやデータを中心に幾つかの購入を予定している。 (c)アルバイトの雇用:データ整理や評価実験の補助を目的に、アルバイトを雇用する計画である。
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Research Products
(3 results)