2012 Fiscal Year Research-status Report
赤外線通信による移動ロボットネットワークのための時間空間分割型プロトコル
Project/Area Number |
24560472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
高井 博之 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (20264963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 啓八郎 大阪学院大学, 情報学部, 教授 (80029090)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 通信方式 / 移動ロボット / アドホックネットワーク / 空間分割通信 / 並行送信 |
Research Abstract |
本研究は、空間分割型移動ロボット相互通信のための通信プロトコルに関する研究である。我々は、指向性通信を用いたロボット間相互通信の混信抑制について検討した。指向性通信は、意図した通信相手に向けて信号を送信するので、別な方向の意図していない通信相手には信号が届かない。それゆえ、作業空間中の互いに異なる方向を向いた指向性送受信機は、それぞれ同時に並行して混信なく通信できると考えた。検討した空間分割通信システムは、指向性送受信機を円周上に等間隔に並べて構成する。 空間分割通信システムは,指向性送受信機を円周上に数多く並べ、並行通信可能な送受信機数を増やすことで、原理的に作業空間全体での通信許容量を増大できると考えた。一方、相手が居ない送受信機や同じ方向を向き混信を起こす送受信機も増えるので、作業空間中の通信許容量の増大に寄与しない無駄な送受信機も多くなる。このことから、空間分割通信システムを構成する指向性送受信機を円周上に並べる間隔や、並行通信可能な指向性送受信機の数には、通信許容量が大きく、かつ、無駄になる送受信機数を少なくできる、妥当な数が存在すると考えた。 平成24年度は、ネットワークシミュレータNS-2に指向性通信模擬機能、マルチインタフェース模擬機能、マルチチャネル模擬機能を追加し、空間分割通信システムのシミュレーション環境を構築した。作業空間中のロボットの台数や並行通信可能な送受信機の数を変化して、シミュレーションを行った。作業空間全体の通信許容量や通信効率、混信の発生状況などの分析を行った。この結果を元に、通信許容量が大きく、かつ、無駄になる送受信機数が少なくできる、妥当な送受信機数を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、空間分割型移動ロボット相互通信のための通信プロトコルに関する研究である。平成24年度は、研究初年度であり、研究環境の整備や研究課題の詳細な把握を念頭に実施した。研究環境の整備として、ネットワークシミュレータNS-2に指向性通信模擬機能、マルチインタフェース模擬機能、マルチチャネル模擬機能を追加し、空間分割通信システムのシミュレーション環境を構築した。作業空間中のロボットの台数や並行通信可能な送受信機の数を変化して、シミュレーションを行った。シミュレーションの結果を元に作業空間全体の通信許容量や通信効率、混信の発生状況などの分析を行った。このシミュレーションでは、まだ空間分割通信に適した通信プロトコルが実装されていないので、従来の全方位性通信に適した通信プロトコルを用いている。それゆえ、シミュレーション中の混信発生状況を細かく分析することで、空間分割通信が持つ課題や空間分割通信に適した通信プロトコルが持つべき機能を明かにできると考えており、研究の進展は概ね順調と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、空間分割型移動ロボット相互通信のための通信プロトコルに関する研究である。 当初の計画として平成24年度から平成27年度の間に、1)空間分割通信システムの基本機能の評価とモデル作成、2)開発・実装したプロトコルの実験的な機能・性能評価、3)評価実験結果に基づくプロトコルの機能の効果の推定 の実施を計画していた。別予算で進めていた光通信システムの開発に遅れを生じているため、極端なアンテナ利得モデルや信号強度モデルを用いて空間分割通信のシミュレーションを行った。厳密な結果は得られていないが、考案した通信システムが持つ特性等は結果の分析から把握できると考えている。 平成25・26年度はこのシミュレーションの分析結果に基づいて、空間分割通信システムに適したMACプロトコルを開発する。また、並行して光通信のシミュレーションモデルを開発、シミュレータに実装する。平成27年度は、空間分割通信に適したMACプロトコルの仕様を纏める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、空間分割型移動ロボット相互通信のための通信プロトコルに関する研究である。 平成25年度は、提案する空間分割通信システムの実験装置を組み立てる。既に、送信用赤外線LEDや受信用光入射角センサ、通信制御部を実装するFPGA等は別予算で購入済みである。また、過去の研究で Serial data interface や Module exchanger などの主要な回路は設計を終わっている。従って、配線作業などに掛かる費用に研究費を使用する。
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