2014 Fiscal Year Annual Research Report
小型ダイポールアンテナを用いたワイヤレス電力伝送の基礎検討
Project/Area Number |
24560483
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
常川 光一 中部大学, 工学部, 教授 (40434568)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力伝送 / 電界結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)電子ペーパ(小型充電器)の試作 電界結合形のアンテナが非常に薄い金属板で作製可能な利点を活かし、卓上充電器と端末(電子ペーパ)を試作した。これは、アンテナ金属上に置くだけで電力を伝送するものであり、非常に送受間隔が狭いので効率は高いが自由度が無く、電子機器の置き場所が制限される。そこで、市松模様形の複数金属板と磁石スイッチを利用した充電装置を考案し実験的検討を行った。この結果、充電設置位置は増えたものの位置ずれによる効率低下があり、設置状態による電力伝送効率のバラツキが発生した。二層構造による改善を検討している。また本装置はデモとして実働させる。 2)等価回路による検討 電界結合型の無線電力伝送(独立伝送形)方式について等価回路を作成し、シミュレーション、実験と比較してその各素子定数を決定した。また伝送効率については、LとCのQ値が与える影響は同等であること、周波数と負荷抵抗を適宜調整すれば伝送距離を伸ばせることを確認した。一方、同一アンテナにおいて金属板間のキャパシタンス(結合容量)を減らせば伝送効率を上げられる可能性がわかった。これは本方式特有の性質であり、今後検討する予定である。 3)実験的検討 シミュレーション/等価回路解析により長い伝送距離を得るには低いポートインピーダンスに対する整合回路が重要であることがわかっている。そこで金属板の背後または前面にコイル状整合回路を設置して実験を行った。これは、整合回路も磁界結合アンテナとして動作させ、より効率を上げようと考えたものである。実験の結果、整合を取ることは可能であったがその調整が伝送距離に応じて必要であること、磁界結合の効果は高くないことがわかった。従って、やはり整合回路はコイルのQ値が最も重要であり、そこを上げる工夫と距離によって変わるポートインピーダンスに対応した調整機能が必要であることが分かった。
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