2013 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク符号化の応用によるセキュアパケット・ルーティングに関する先駆的研究
Project/Area Number |
24560491
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
田中 秀磨 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, 電気情報学群, 准教授 (30328570)
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Keywords | 情報理論 / プライバシー / セキュアパケット / セキュリティ / 定量評価手法 |
Research Abstract |
当初は実証実験ベースでの研究を想定していたが、現時点でも実験スペース確保の問題や機器利用の制約の問題が残っており、平成25年度も理論研究主体の活動となった。特に情報理論的見地からの応用研究は多くの成果を出すことができた。国内学会:[1]水野,岩井,田中,黒川「サイドチャネル攻撃に関する情報理論的解析(2)」情報セキュリティ研究会ISEC2014-3[2]水野,岩井,田中,黒川「サイドチャネル攻撃に関する情報理論的解析(3)」暗号と情報セキュリティシンポジウム2014(SCIS2014)。国際学会(査読付):[3]Mizuno,Iwai, Tanaka,Kurokawa,”Information Theoretical Analysis of Side-Channel Attack” ICISS 2013: 255-269(LNCS)。特に[3]は採択率が20%未満であり、高いレベルでの成果が出せたと考えられる。また、”Analysis of Side-Channel Attack Based on Information Theory”としてIEICE Transaction vol.E79-A,no.7に採択、掲載が決定している。 開発技術の用途に関してプライバシー保護の観点からの議論も進み、特に最近問題になっているSNSなどにおける問題と関連して提案技術のアウトラインの有用性を考察した。その結果は、国内学会:[4]金森,川口,田中「スマートフォン利用における青少年のプライバシーに関する一考察」暗号と情報セキュリティシンポジウム2014(SCIS2014)として報告している。ただしここではスマートフォンに言及しているが、実際の提案技術は通信形態に依存しない構成である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は通信プロトコルの開発に主眼を置く予定であったが、その周辺理論の応用研究が進んでしまい、当初の計画がなかなか進んでいない。理由としては実機評価を行う環境整備、および所属部署特有の機器利用の制限などがあげられる。機器利用の制限とは具体的にはUSB記録媒体の利用であり、このためOSやソフトのダウンロード/インストールが制限され、想定してたようには作業が進められないことがある。現在では簡単な機器構成による実機測定から、仮想環境での評価をシミュレートすることを考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
応募時点で所属機関が変わることは想定せず、また、様々な制約があることを予想でき なかったので、実機研究の課題について根本的に見直す予定である。 具体的には仮想環境での評価への方向転換である。 一方で理論研究およびその応用研究は高いレベルで推移しており、予想よりも高い成果 を出している。また、プライバシーに関しては提案技術の展開だけでなく、情報 プライバシー研究それ自体で新たな課題の発見につながっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を実施するスペースの確保ができなかったため、実験機材の購入をしていない。 当初は少額の器材を大量購入してネットワークを構成しようと考えていたが、予定していたよりも高額な計算機による仮想環境におけるシミュレーション実験を考えている。
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