2012 Fiscal Year Research-status Report
進化・学習システムに基づく適応学習型最適化法の開発と再構成可能デバイスへの応用
Project/Area Number |
24560494
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小圷 成一 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70241940)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 卓 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40451752)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 最適化手法 / 二次割当問題 |
Research Abstract |
1.基礎的研究は,以下の3段階により適応学習型最適化法に対する基礎的研究を進める。 (1)これまでの研究で開発を進めてきた進化型計算法に,評価関数曲面の特徴に関する情報を遺伝情報として蓄積する機能を加えるための手法を検討し,その理論的解析を行う。(2)さらに,与えられた問題の性質に応じて探索過程を適応的に最適化する方法を検討し,その理論的解析を行う。(3)以上の機能を組み合わせることで,適応学習型最適化法を構築し,その理論的解析を行う。 これまでの研究で,二次割当問題についてはシミュレーテッドアニーリングを用いるモデルについて,解空間の大局的な構造としてある種の自己相似性があり,また局所的な構造として局所的最適解の近傍構造とアニーリングの温度パラメータの間にある種の相関関係があるとの知見を得ている。具体的にはこれらの構造を遺伝子情報として利用することを考える。 2.アルゴリズムの開発では,以下の5段階により適応学習型最適化法を実現するためのアルゴリズムの開発,シミュレーション実験システムの構築,および開発した適応学習型最適化法の基礎的性能評価を行う。 (1)評価関数の構造を効率的に遺伝子にコード化する方法を検討し,その具体的なアルゴリズムを構築する。(2)蓄積された情報の有用性に応じて必要な情報を適応的に取捨選択するための交叉法を検討し,その具体的なアルゴリズムを構築する。(3)以上の二つのアルゴリズム組み合わせることで,適応学習型最適化法の具体的なアルゴリズムを構築する。(4)構築したアルゴリズムに基づき,適応学習型最適化法を計算機上で実行できるような,シミュレーション実験システムを開発する。(5)適応学習型最適化法のシミュレーション実験システムを利用して,まず比較的単純な問題において,開発した適応学習型最適化法の基礎的な性能評価を行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で,具体的に以下の事項について,研究計画が遂行されている。 (1)進化型計算法に評価関数曲面の構造を遺伝情報として蓄積する機能を加えることにより,探索過程を自律的・適応的に最適化する適応学習型最適化手法を構築する。 (2)開発手法を実現する具体的なアルゴリズムを構築する。特に,評価関数曲面の構造情報を収集する手法,これを遺伝子にコード化する方法,およびこの遺伝情報を効率的に受け継ぐための交叉法を検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究で,具体的に以下の事項について,研究計画を遂行する。 (1)開発手法を最適化問題の基礎的なベンチマーク問題に応用し,有効性を検証する。また,ここでの実験結果に基づいて,開発手法の改良を検討する。特に,大規模かつ複雑な問題への応用を念頭に,改良する。 (2)開発手法を再構成可能デバイス設計に応用し,有効性を検証する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発手法の改良では,以下の4段階により適応学習型最適化法の改良を試み,その効果を検証する。 (1)生物の免疫系でみられるランダム的な遺伝子組み替え交叉法を導入する方法を検討し,その理論的解析を行う。(2)上述のランダム的な遺伝子組み替え交叉法を実現するための,具体的なアルゴリズムを構築する。(3)開発したアルゴリズムを,適応学習型最適化法のシミュレーション実験システムに導入する。(4)上述のシミュレーション実験システムを利用して,まず,比較的単純な問題である二次割当問題,巡回セールスマン問題等のベンチマーク問題において,アルゴリズムの改良の効果を検証する。ランダム的な遺伝子組み替え交叉法の効果として期待される探索領域の拡大および解集団内の遺伝的多様性の維持により,開発手法の解の品質面での性能向上をはかる。 なお,シミュレーション実験システムの改良,およびシミュレーション実験の実施には,平成24年度購入および平成25年度新規購入の高性能パーソナルコンピュータを使用する。
|
Research Products
(11 results)