2013 Fiscal Year Research-status Report
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24560500
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
山本 芳弘 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (20419435)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 太陽光発電 / 固定価格買取制度 / 補助金 / 普及過程 / オピニオンリーダー / 系統連系 / 省エネルギー |
Research Abstract |
次世代エネルギー・社会システム実証地域の現地見学は研究目的に適した内容が期待できなかったため、他の実証地域を見学した。集中連系型太陽光発電システム実証研究(群馬県太田市城西町、2002-2007年度)のサイトを見学するとともに、その事業の委託先であった株式会社関電工を訪問し、詳細を聞き取り調査した。また、連系接続の技術面に関しては、東京電力株式会社を訪問し情報収集した。これらの活動により、再生可能エネルギーの利用における技術上の制約について理解することができた。このことは、より実用的な経済制度を設計する上で有益であった。 次に、住宅用太陽光発電システムの普及におけるオピニオンリーダーの役割を明らかにするためのアンケート調査を実施した。イノベーション普及の理論では、住宅用太陽光発電システムのような新技術の普及には、オピニオンリーダーからフォロワーへの情報の伝播が重要な役割を果たすと考える。そこで、アンケート調査により、住宅用太陽光発電システムの普及においてもそのような過程が存在することを明らかにするとともに、この場合のオピニオンリーダーの特性を明らかにした。この特性を利用して、オピニオンリーダーが設置しやすくなるようなインセンティブについて検討した。この研究成果は、国内学会(エネルギー・資源学会)及び国際会議(World Renewabe Energy Congress 2013)でも報告し成果を広めた。 シミュレーションや論文投稿は、次年度以降に行うことになった。理由は、シミュレーションが必要となるモデルの開発は次年度が中心になる予定であること、並びに投稿論文の準備(英文校閲)が次年度にずれ込んだためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際的な制度設計に必要と思われる技術的側面を中心とした実証研究等の現地見学や情報収集は計画通り終えることができた。得られた情報は、実際の経済制度を検討するにあたって有益であった。 理論モデルによる分析については、現状の再生可能エネルギー利用促進制度の改善や有効利用の観点からの研究は終了した。前年度に行った補助金制度と再生可能エネルギーから発電された電力の固定価格買取制度の最適な組み合わせに関する研究に加えて、今年度はオピニオンリーダーシップを通じた普及過程に関するアンケート調査を実施し、制度設計に関する有益な知見を得ることができた。この結果を国内学会や国際会議でも報告した。 より実際的な、新たな再生可能エネルギー利用・省エネルギー促進のための制度設計のために、電力システム工学上の技術面に関する現地見学と専門家からの情報収集に加えて、関連する文献等からの予備知識の習得も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より実際的で、新しい再生可能エネルギーの価格付け方法を検討する。これまでのところでは、現状の再生可能エネルギー固定価格買取制度の改善策やより効果的な利用方法を検討してきた。次の段階としては、電力システム工学の知見等も加味した新しい制度の開発を行う。既に、必要となる電力システム工学の予備知識並びにある経済分析モデルの知識の拡充を進めている。 理論モデルのプロトタイプが出来上がったところで、シミュレーションによる数値実験も行う予定である。 また、これまでの研究で得られた成果は、論文誌に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文投稿のための費用(英文校閲費や別刷購入費等)を約12万円予定していたが、英文校閲者のスケジュールの都合上、英文校閲とその代金支払いが今年度中に完了しなかったために、次年度使用額125,492円が生じた。 上記次年度使用額125,492円は、計画通り論文投稿のための費用として使用するとともに、その他の次年度使用計画は当初計画通り使用する予定である。
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Research Products
(2 results)