2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面弾性波デバイスの小型・薄型化に向けた精度保証付き多目的設計探査の開発
Project/Area Number |
24560503
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田川 聖治 近畿大学, 理工学部, 教授 (50252789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 設計工学 / 多目的最適化 / 不確実性 / 進化計算 / 弾性波デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、移動体通信機器の高周波回路に多用されている表面弾性波デバイス(SAWデバイス)の小型化や高性能化に役立つ知見の収集を目的とし、航空・宇宙工学の分野で実績のある多目的設計探査の手法を、不確実性を含む設計問題に対して解の精度が保証できるように改良・拡張するとともに、その手法をSAWデバイスの構造設計問題に適用した。 初年度は、SAWデバイスのネットワーク・モデルの構築とシミュレータの開発を実施した。また、進化計算アルゴリズムの一種である差分進化を拡張し、4目的以上の最適化問題に対しても高精度の非劣解集合が得られる新たな進化型多目的最適化手法を開発した。次年度では、加工誤差等を考慮したSAWデバイスの構造設計に対して解の精度を保証するため、任意の有意水準でノイズを含む目的関数値が存在する予測区間に基づき、解の良さを評価する単目的の最適化問題を定式化した。 最終年度は、過去2年の研究成果を踏まえて、下記の2項目を実施した。 1.精度保証付き多目的設計探査の開発:統計的な予測区間に基づく単目的の最適化問題を多目的最適化問題に拡張した。ノイズを含む複数の目的関数値は同時分布となるが、多目的最適化問題では複数の周辺分布の超直方体を考えることで、計算の容易な高次元の解の予測区間を定義した。また、非劣解集合を効率的に求めるため、差分進化に基づく進化型多目的最適化手法に対して、制御パラメータの自動調整機能、解の評価回数を削減するための2種類の枝刈り法、リサンプリング機能を組み込んだ最適化手法を提案した。 2.SAWデバイスの多目的設計探査:SAWデュプレクサの構造設計問題を7目的の最適化問題として記述した。次に、提案した最適化手法で求めた非劣解集合の目的関数値と設計パラメータの相関関係を解析することで、SAWデバイスの小型化で重要となる周波数特性と実装面積の関係などを明らかにした。
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Research Products
(13 results)