2013 Fiscal Year Research-status Report
センシング情報学の展開―グローバル情報を獲得するローカルセンシング手法
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24560505
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出口 光一郎 東北大学, 情報科学研究科, 名誉教授 (30107544)
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Keywords | センシング情報学 / グローカルセンシング / 大量画像データ / 能動センシング / ネットワークグラフ / センサーネットワーク / 画像物体認識システム / 多分解能動的システム |
Research Abstract |
本研究の目標は,大規模・複雑化した系のグローバルな状態情報を,ローカルなセンシングによって獲得する方法論を確立することにある.そのためには,まず第一に,対象内での情報の流れの構造を的確に,かつ,効率的にモデル化する新しい体系が不可欠である.次に,各ローカルなセンシングによって,どれだけのグローバル情報を獲得できるのかの定量化が必要である. 本研究では,1.大規模系の情報の流れの構造をグラフを用いてモデル化するとともに,2.そのグラフ内の実際の情報の流れを,申請者が開拓,提唱し,確立してきた「センシング情報学」に基づいて定量化し,3.それらに基づいて,具体的な大規模なシステムに対して,ローカルなセンシングによってシステムのグローバルな状態情報を獲得する例を提示する. 25年度は、前年度に引き続き、東日本大震災関連の被災と復興に関する広域での都市部の画像データの収集を行ってきた.こうして得た大規模時空間画像列を元に,市街地を時空間的にモデリングする方法を研究した.市街地の幾何学的,地理学的な時間変化そのものを可視化すると同時に,変化の意味を理解することが目標である.すなわち,少数の観察から,街全体のどこがどのような被害を受け変わってしまったのか,何を失ったのか,そして,そこからどのように何が復旧,復興してきたのかを捉える方法を検討してきた. この研究では,コンピュータビジョンの手法を用い,街路から見た外観画像から市街地の営みの変化を意味的に理解しようとする.これらはリモートセンシングなどによる上空視点からの大域情報のみを用いた「空間形状計測」では実現できない.地上でのローカルな,どの場所でどのような建物が破壊され失われたか,復興の過程では建築物の完成状況などの継時的な観測から,町全体の経済活動の盛んさと人や物資の動きに至るまでのそれぞれを定量的に捉えたいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,大規模系の情報の流れの構造をグラフを用いてモデル化することで,大規模系内の実際の情報の流れを,申請者が開拓,提唱し,確立してきた「センシング情報学」に基づいて定量化示し,ローカルなセンシングによってシステムの大域的でグローバルな状態情報を獲得する手法を確立する。. そして,具体的な大規模なシステムに対して,その適用例を提示するため,24年度より,東日本大震災関連の被災と復興に関する東日本沿岸部の500㎞にわたる広域での都市部の画像データの収集を,2年間を通して行ってきた.そのデータ量は,30テラバイトに及んでいる.収集すべきデータが広範囲におよび,また,想定をはるかに上回る大規模データとなったため,データ収集の期間を当初計画より延長するとともに,解析手法,ソフトウェア構成,システムの設計を見直し,その作成を今年度からやり直している.しかし,実績としての研究成果は上がっており,都市部での被災と復興の時間的・空間的な変化を構造的にとらえて可視化が出来てきている.すでに,多くの場で成果の発表をしてきており,その結果,研究の方向として,一定の評価を得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
24年度より獲得をしてきている東北地方沿岸部の市街地画像に対して,25年度からは,大規模画像データベース検索システムの構築と可視化手法の確立を行うことで、都市のローカル構造とグローバル状態の関連の解析を行っている.平成26年9月まで,東北地方沿岸の都市部での画像データの収集を引き続き行い,並行して開発している解析手法,を適用することで,本研究開発の有効性を確認する.また,平成26年12月までに、解析ソフトウェアとシステムを作成して、ローカルなセンシングによるグローバルな状態計測の典型例(プラットフォーム)を構成する. 26年度は,これまでの計測対象地域の経時的な観測を続けるとともに,計測対象とする都市部のグローバル状態の範囲を拡張し,本研究で目標としているグローバルセンシングのための手法の有効性,有用性を確認し,研究のまとめを行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査により獲得している大量画像の保存のための,大容量ディスクの購入を計画していた.当該年度に獲得した画像データの整理が終わっておらず,最適なディスク容量と仕様が確定できなかったことと,利用可能なディスクの発売が遅れているため,次年度の当初の購入とすることとした. 10TByte以上の容量を持ち,RAIDなどのデータ保護機能を持つ大容量ディスクを,26年度当初に購入する.
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Research Products
(4 results)
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[Book] Encyclopedia of Computer Vision2014
Author(s)
K. Ikeuchi 編, K. Deguchi, R. Chellappa, D. Cremers, L. S. Davis, A. Fitzgibbon, M. Hebert, K. Kanatani, K. Kutulakos, A. Maki, J. Malik, G. G. Medioni, R. Nevatia, K. Nishino, T. Pajdla, N. Papanikolopoulos, S. Peleg, M. Pollefeys, J. Ponce, L. Quan, C. Schmid, J. Takamatsu, 他著
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Springer