2012 Fiscal Year Research-status Report
3.11東北大地震の誘発地震頻発地域での微小地磁気変化の超高感度計測による観測
Project/Area Number |
24560507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 伸直 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 客員研究者 (80005420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯上 慎二 福島工業高等専門学校, 一般教科, 准教授 (10586853)
大久保 寛 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (90336446)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 地震地磁気観測 / 高温超電導SQUID磁力計 / オーバーハウザー磁力計 / いわき地震観測 |
Research Abstract |
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により引き起こされていると考えられている誘発地震が、福島県いわき市において発生している。発生した地震の震源がある程度限定されているこの地域における観測により、地震発生に伴う磁気変化を明確に示すことが出来ると考え、地磁気の超感度連続観測を継続して行っている。これまでのところ以下に示すような研究実績を積み重ねている。 (1)全磁力の観測を行うためオーバーハウザー磁力計を導入し、連続観測を継続している。これにより、超高感度SQUID磁力計による3成分地磁気の値の妥当性を検証できる。 (2)高温超電導SQUID磁力計による超高感度地磁気観測を継続している。連続観測のためには、液体窒素の補給が欠かせないため研究分担者と協力して1-2ヶ月に一度補給を行っている。また、磁力計に異常が発生した時にはその原因を早急に解析し、対処してきた。これにより、SQUID磁力計を1年間にわたりほぼ連続して運用することができている。なお、1年以上にわたる高温超電導SQUID磁力計による地磁気の連続観測は国内外を通じて初めてである。地震はいつ発生するか分からないため、磁力計(特にSQUID磁力計)が正常に動作しているかを常時監視している必要があり、24年度はこれを行うことが出来た。 (3)これまでの細倉観測点(宮城県栗原市)での観測成果によると、観測点から10km以内でM3以上の地震が発生した場合、地磁気にこの地震による変化が記録されると推測されている。いわき観測点でも、地震発生によると思われる地磁気の変化が記録されているが、現在まで、残念ながら該当する地震は1-2個であり十分とはいえない。 (4)いわき観測点での地磁気データと比較するために設置されている細倉観測点においても、いわき観測点での地磁気データに対応する地磁気データを得ることが出来ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している理由は以下の通りである。 (1)いわき観測点において、高温超電導SQUID磁力計を1年以上ほぼ連続して稼働させ、地磁気3成分のデータを得ることに成功している。これは国内外で初めてである。また、オーバーハウザー磁力計を1年以上連続して稼働させ、地磁気全磁力のデータを得ることにも成功している。 (2)これら磁力計の観測波形を常時監視し、異常発生時にはすばやく対処することにより、連続観測が維持ができている。すなわち、研究分担者(福島高専:磯上准教授、首都大:大久保准教授)との連絡を密に行っており、観測体制が強固に構築され、地磁気や大地加速度などの長期連続観測が順調に進んでいる。 (3)これらの磁力計や加速度計などによる観測データを1年以上得ることに成功している。地震発生時に地磁気が変化していると思われる記録が得られている、残念ながら、変化が認められる例は1-2例に過ぎない。また、いわき観測点での地磁気データとの比較のため設置されている細倉観測点(宮城県栗原市)においても対応する地磁気データを得ることが出来ている。 (4)非常に稀ではあるが、SQUID磁力計の観測波形には、異常が発生することがある。残念ながらその原因についてはいまだ解明できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を着実に推進するため以下の方策をとる。 (1)高温超電導SQUID磁力計およびオーバーハウザー磁力計による長期連続観測体制の維持に努める。このため、SQUID磁力計への1-2ヶ月に一度の液体窒素の補給および観測システムの点検を研究分担者(福島高専:磯上准教授)と協力して行う。 (2)地震の発生時間を予測できない以上、地震により地磁気が変化する観測例を増やすためには、観測システムの停止は絶対に避けなければならない。このため、これら磁力計で観測される地磁気波形の常時監視体制の維持に努める。もし、磁力計が異常動作した場合、研究分担者(福島高専:磯上准教授、首都大:大久保准教授)と協力して、迅速に正常な状態に復帰出来るように努める。それにより、平成25年度および26年度と地磁気連続観測を途切れることなく行い、観測データを収集する。 (3)いわき観測点での地磁気データと比較するために重要となる、細倉観測点(宮城県栗原市)における地磁気観測体制を維持する。このため、2ヶ月一度の観測データの回収と観測システムの保守点検を行う。 (4)観測データの整理とその波形の可視化等に努め、地震によると思われる地磁気変化信号の解析を試みる。その結果得られた研究成果については、論文誌、国内外の学会などでの発表を積極的に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は計画的に執行したが、次年度使用額は平成25年4月の支払いにまわってしまった。
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Research Products
(5 results)