2012 Fiscal Year Research-status Report
RGBカメラによる非接触型パルスオキシメトリーイメージング装置の試作研究
Project/Area Number |
24560513
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西舘 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70375319)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 容積脈波 / イメージング / 酸素飽和度 / 脈拍数 / RGBカメラ |
Research Abstract |
光源、リングライトガイド、偏光板、カメラレンズ、RGBカラーCCDカメラ、光学部品固定装置及び動画像取り込み用PCから成る動画像取得装置を現有の光学除振台上に構築した。先行研究で開発した手法を発展させることで、皮膚のRGB動画像から動脈血量及び静脈血量を個別かつ連続的に計測し、脈波成分を抽出する方式を検討した。(1)RGBの3応答量からXYZ表色系を介して皮膚の酸化血・還元血液量を推定する変換マトリクスを作成し、(2) 酸化・還元血液量の時間変化に対しFFTフィルターを適用することでそれぞれの脈動(AC)成分と定常流(DC)成分を抽出し、動画像として再構成する方式を新たに考案した。(3)連続する脈波ピークの時間間隔から1分当たりの脈拍数を算出し、(4)脈波振幅値と脈拍数から血圧値を求める推定式を作成した。以上の新規に考案した方式を計測動画像の各画素に適用することで、RGB動画像から容積脈波のイメージングと脈拍数、血圧の計測を行なう新しいアルゴリズムを開発した。 開発したアルゴリズムを基に容積脈波の2次元表示および脈拍数・血圧値の算出を行なうためのプロトタイプシステムを試作した。カメラコントロール、画像取得及び伝送はIEEE1394FireWireケーブルを介してリアルタイムで行い、AVI形式の動画ファイルをPC内に保存し、1フレーム毎のオフライン処理による解析と結果の表示を行なう。光量と露光時間の最適化により、容積脈波の動画像は30フレーム/秒の時間分解能で取得可能であることを確認した。動画像取得、解析、結果表示までの一連の処理を実行するMatlabプログラムを作成し、動作確認を行った。 10名の被験者に対する動作確認実験を行い、全身の異なる9部位で容積脈波のイメージングが可能であることを確認した。さらに、容積脈波から算出した脈拍数は市販の脈拍計と良い一致を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画に従い、動画像取得装置の構築、脈波イメージング再構成アルゴリズムの確立、脈拍数算出と血圧値の推定、解析・表示プログラムの作成までを達成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
(平成25年度)パルスオキシメーターで同時に測定した酸素飽和度により、提案システムの較正を行い、較正曲線を算出する。較正曲線を容積脈波再構成プログラムに組み込むことで、動脈血酸素飽和度イメージングのアルゴリズムを確立する。メラニン色素、ウマ血液を用いた人工皮膚モデルを作成し、計測値の校正とシステム基礎特性の評価を行なう。血中酸素飽和度の調整は標準酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガスの混合により行い、酸素濃度計と酸素解離曲線に基づき較正する。またローラーポンプの拍動を利用して血液脈波を再現する。以上により、空間・時間分解能、測定範囲の評価を行なう。 除毛後の麻酔下ラット背部および頭部皮膚を対象に動脈血酸素飽和度・脈拍の2次元計測および血圧値の計測実験を行う。動脈血酸素飽和度、脈拍数、血圧は、標準酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガスの混合により吸入酸素濃度FiO2%を0~95%の範囲内で変化させることでコントロールする。正常ラット群20匹と高血圧発症ラット群20匹に対して実験を行い、平成25年度経費で購入予定の小動物用パルスオキシメーターと小動物用血圧計で同時計測した結果と比較することで提案法の妥当性と生体での有用性を確認する。 (平成26年度)ヒト皮膚を対象に動脈血酸素飽和度・脈拍の2次元計測および血圧値の計測実験を行う。測定部位は顔、胸部、前腕、手背の4カ所とし、平常時及び運動負荷により心拍数と血圧を上昇させた際の計測を行う。運動負荷は26年度経費で購入予定の自転車エルゴメーター(エアロバイク)により50~200Wの範囲で設定する。同時に、市販のパルスオキシメーターと血圧計により動脈血酸素飽和度・脈拍数・血圧を計測し、本方法との比較を行なうことで平常時及び運動時のヒトに対する本システムの有用性を評価する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(6 results)