2014 Fiscal Year Annual Research Report
並進不変ウェーブレットパケット変換の多重解像度的構成法と産業応用に関する研究
Project/Area Number |
24560515
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中野 和司 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 副学長 (90136531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新 誠一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20134463)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ウェーブレット変換 / 離散ウェーブレット変換 / 並進不変性 / 複素離散ウェーブレット変換 / 疑似並進不変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
離散ウェーブレット変換(DWT)の並進不変性の欠如は,ダウンサンプリングの副作用によって生じる.この解決には,2つの方法が提案されている:ひとつはダウンサンプリングを行わない Stationary Wavelet Transform(SWT),もうひとつは,Dual Multi-Resolution Analysis (MRA) ツリーを用いる Complex DWT (CDWT)である.本研究では,後者のCDWTを研究対象とする.CDWTでは,実部と虚部で1/2サンプルずれたフィルタを用いることで,ウェーブレット関数がヒルベルト変換対になることがよく知られており,この実現方法について多くの研究成果が報告されている.これらの基底による CDWTでは,並進不変性が向上することが知られている.我々は,Conjugate Quadrature Filter(CQF)バンクを用いる場合に限定して,CDWTに関して取り組み,次の4つの新しい成果 (1)-(4) を得たので報告する:(1) 既に知られたフィルタの1/2サンプルずれに加えて,実部と虚部の入力信号を偶数と1/2サンプルずらすことで,理論上完全な並進不変性を獲得できる仕組みを明らかにした.(2) 並進不変性を向上させた DWTとして,Quasi-Shift-Invariant (QSI) CDWTと名付け,上の(1)の議論に基づく計算方法を確立した.この方法は,事前処理と虚部の MRAツリーを追加するだけで,従来の CDWTよりも並進不変性を向上させることを可能にした.(3) QSI-CDWTのdualフィルタバンクを lifting steps に分解し,lifting schemeによって計算できるようにした.これにより,短時間フーリエ変換のようなバッチ処理的な畳込みを行う必要がなくなり,リアルタイム処理との親和性が向上した.
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Remarks |
過去の論文の受賞:廣瀬 勝弘,中野 和司,大屋 英稔 ら「電気学会 優秀論文発表賞(創立100周年記念基金学術振興助成規程による本部表彰)」(2014.3)
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Research Products
(3 results)