2014 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバグレーティングを用いた多点型水素漏えい監視デバイスの開発
Project/Area Number |
24560516
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
岡崎 慎司 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50293171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 忠均 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, つくば宇宙センター研究開発本部, 研究員 (00401232)
丸 祐介 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (20524101)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | センシングデバイス / 光ファイバガスセンサ / ファイバーブラッググレーティング / 水素漏えい検知 / 白金触媒担持酸化タングステン / 白金触媒担持シリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
光ファイバグレーティング(FBG)センサを用いた準分布型の多点水素漏えい検知センサの実現に向け、最終年度である本年度は、これまでの研究成果で安定な検出性能を有することが明らかとなっている白金担持シリカ厚膜を水素感応物質として用い、有機保護被覆を除去したFBG部に直接感応膜を固定化したセンサデバイスと石英基板上にゾルゲル法により固定化した後にFBG部に接着樹脂により固定化したセンサデバイスを作製した。次に、その応答速度の水素濃度依存性などを解析して、触媒表面で発生する接触燃焼熱及びデバイスから周囲への放熱による寄与を詳細に解析して、センサの応答挙動を理論的に解明した。さらに、乾燥空気中でプロパンやエタノール蒸気に曝露してセンサの水素選択性を検証したところ、いずれのガスに対しても波長シフトを生じなかったことから白金担持シリカ膜は水素に対して高い選択性を有することを確認した。次に、このセンサはFBG部の温度上昇を検知するタイプのセンサであるため、環境変動などによる影響を抑えるため、温度補償用FBG素子と組み合わせたセンサモジュールをプロトタイプとして作製した。プロトタイプモジュールの水素応答特性及び温度補償性能を評価した後、多点型ひずみセンサシステムを応用したセンサシステムを構築した。ロケット開発試験を行うフィールドにてセンサシステムの性能を検証するため、液体水素貯蔵タンクからの水素漏えいを模擬できる実験系において、検証実験を行った。その結果、フィールド環境において多点計測の可能性を確認することができ、低温下でもセンサ素子の劣化や破壊は起こらず安定であることが分かった。一方で、低温環境・高湿環境での水素応答特性に改善が必要であること、温度補償性能についても素子のバランスを更に取れるようにデバイス配置などに改善を要することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)