• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

ソフトコンピューティング技術を駆使した超指向性マイクロホンアレイシステムの構築

Research Project

Project/Area Number 24560519
Research InstitutionUniversity of Yamanashi

Principal Investigator

小澤 賢司  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30204192)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 木下 雄一朗  山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (70452133)
Keywordsマイクロホンアレイ / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム / ソフトコンピューティング / 指向性 / 時空間音圧分布 / 学習パラメータ / 最適化
Research Abstract

本研究は,高次コミュニケーションシステム構築に必要となる音響信号の空間分離収録技術に関して,ソフトコンピューティングの技法を駆使することで格段の性能向上を達成することを目的としている.そのために,ニューラルネットワーク(以下NNと略記)を組み込んだマイクロホンアレイシステムについて,システムの最適化を達成するNNの学習パラメータを遺伝的アルゴリズム(以下GAと略記)を用いて探索することとした.
昨年度(平成24年度)は,音の伝搬を瞬時音圧分布の空間パターンと捉えた従来システムを取り上げ,GAを用いた最適化によって大幅な性能改善を達成した.しかし,瞬時音圧の空間分布は入射角と周波数の両方に依存するので,昨年度に実施した単一周波数正弦波を用いた検討では,指向性が保証されるのは「学習に用いた正弦波の周波数」に限定されるという問題が残されていた.
本年度(平成25年度)は,この問題を解決するために,瞬時音圧分布の空間パターンが時間と共に変化する「時空間パターン」に関するシステムを構築した.具体的には,マイクロホンからの出力を1サンプル時間だけ遅延させた入力系列も用意し,前年度と同様にNNの最適設定をGAにより探索した.NNの構造としては,入力層ニューロン数はマイクロホン数の2倍(現時刻と1サンプル過去)の12であり,また出力層は「指向性を向けた音源の時系列」を出力するのでニューロン数は1とした.一方,中間層ニューロン数は最適化の対象とした.また,指向性特性の広帯域化を図るため,3種類の周波数を同時に学習させることとした.その結果,学習対象とした周波数のみならず,十分に広い帯域にわたって所望の指向性特性を実現可能であることを示した.
ただし,これまでは正弦波信号や狭帯域信号を対象とした基本的な検討に留まっている.今後は,音声のような広帯域複合音を対象として検討することが必要である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定どおり,ニューラルネットワークを組み込んだマイクロホンアレイ信号処理システムを計算機上に構築している.平成24年度には,遺伝的アルゴリズムを利用して効率的な最適化を行い,先行研究に比べて十分な指向性特性の改善を実現した.平成25年度には,前年度に課題として残された広帯域化を実現し,未学習の周波数に関しても良好な指向性を合成できることを示した.

Strategy for Future Research Activity

平成25年度における検討は正弦波など狭帯域信号を対象としたものであった.ニューラルネットワークは非線形システムであるため,正弦波信号を入力した場合でも歪が発生する.さらに,実際の音声のような広帯域複合音を入力とする場合には,指向性の劣化が問題となると考えられる.この問題を克服することが平成26年度の課題となる.
その方策として,聴覚系が基底膜上の進行波パターンに由来するトノトピー(周波数地図)を保持したまま中枢までの処理を行っていることに着目し,それを模擬してシステムを周波数ごと独立に並列動作させることに挑む.まず1/3オクターブバンド程度の帯域ごとに独立した信号を扱うシステムに拡張することで,非線形歪の影響を低減する.それでは性能が不十分な場合には,さらに狭帯域な処理を並列的に行うことを考える.この場合には,計算量が某大になることが容易に予想できる.そこで,本来は画像処理用プロセッサであるGPU (Graphics Processing Unit) を用いて並列処理を行うよう,システムをさらに拡張する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度には,平成24年度の研究成果を国際会議において発表する予定であった.しかし,適切な国際会議の開催が平成26年6月であるため,登録料は平成25年度に支出したが,旅費は平成26年度に利用することとした.
平成25年度にGPU搭載計算機を購入する予定であったが,平成26年春季モデルを購入する方が費用対効果が高いと考えて,購入を留まった.
平成24年度に実施した最適化の成果発表のため,最適化問題を取り上げる国際会議 International Conference on Engineering and Applied Sciences Optimization (OPT-i)に参加し発表を行う(平成26年6月,ギリシャ).
また,計算機の平成26年春季モデルが安定運用される時期を見計らって,GPU搭載計算機を購入する.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 入力信号の時空間パターンの学習による非線形マイクロホンアレイの特性改善

    • Author(s)
      井関晃広, 小澤賢司, 木下雄一朗
    • Organizer
      日本音響学会春季研究発表会
    • Place of Presentation
      日本大学(東京都)

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi