2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトコンピューティング技術を駆使した超指向性マイクロホンアレイシステムの構築
Project/Area Number |
24560519
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小澤 賢司 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30204192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 雄一朗 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (70452133)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マイクロホンアレイ / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム / ソフトコンピューティング / 指向性 / 時空間音圧分布 / GPU / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,高次コミュニケーションシステムの構築に不可欠な音響信号の空間分離収録技術に関して,ソフトコンピューティングの技法を駆使することにより格段の精度向上を目指すことを目標にしている.そのために,ニューラルネットワーク(以下NNと略記)を組み込んだマイクロホンアレイシステムについて,システムのパラメータおよびNNの学習パラメータを遺伝的アルゴリズム(以下GAと略記)を用いて決定することで最適化を達成することとした. 初年度(平成24年度)は,音の伝搬を瞬時音圧分布の空間パターンと捉えた従来システムをとりあげ,GAを用いた最適化によって大幅な性能改善を達成した.しかし,この方法では,指向性が保証されるのは「学習に用いた正弦波の周波数」に限定されるという課題が残った.そこで,第2年度(平成25年度)には,瞬時音圧分布の空間パターンが時間と共に変化する「時空間パターン」に関するシステムを構築し,GAによる最適化を行った.その結果として,正弦波入力に限定すれば様々な周波数に対して十分な指向性を獲得できることを示した.ただし,広帯域複合音については十分な指向性を得ることはできないという問題が残った. その問題を解決するために,最終年度である平成26年度は,入力である広帯域複合音を高速フーリエ変換を利用して正弦波に分解し,前年度に構築した正弦波に特化したシステムを各周波数ごとに用意して並列処理し,最後にそれらを重ね合わせることで広帯域音にも対処できるようにシステムを拡張した.実際に,広帯域音の代表である白色雑音を入力した場合にも十分な指向性が得られることを示した.また,並列処理に好適なGPU (Graphics Processing Unit) 上にシステムを実装し,処理の高速化を実現した. 以上により,当初の目標を達成できたものと考えている.
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Research Products
(5 results)