2014 Fiscal Year Annual Research Report
統計的学習法とベイズ推定に基づく電力系統台風被害予測システムの構築
Project/Area Number |
24560524
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
八野 知博 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (50284906)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 計測工学 / 制御工学 / システム工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、統計的学習法とベイズ推定に基づく高精度な電力系統台風被害予測システムの構築を目的としたものである。 平成24年度は、ガウシャンプロセスモデル(予測モデル)の学習アルゴリズムとベイズ推定の枠組みに基づく予測法を開発した。さらに、台風進行経路と最大瞬間風速を入力とし、停電回線数の予測値とその信頼性の情報を出力とする基礎的な電力系統台風被害予測システムを開発した。その結果、提案法は従来の予測法と比べて予測精度が高いことが示された。また、被害予測値の信頼性の情報が得られ、かつその信頼性の情報値は実被害データと照らし合わせて妥当であることが明らかとなった。 平成25年度は、非定常型の共分散関数で表現されるガウシャンプロセスモデルに基づいて被害予測システムを構築する方法を開発した。過去の鹿児島県奄美群島に接近または上陸した台風の気象データと電力系統実被害データに基づいてシミュレーション実験を行い,従来の定常型のガウシャンプロセスモデルに基づく予測法よりも精度の良い予測値とその信頼性の情報が得られることを確認した。さらに,ガウシャンプロセスモデルの学習に,Artificial Bee Colony Algorithm等を適用し,これまでの遺伝的アルゴリズム等を適用した場合と比べて,少ないパラメータ設定やシンプルなアルゴリズムで効率的に学習が行えることを示した。 研究最終年度の平成26年度は、電力系統の日々のメンテナンス状況を考慮して、予測システムの入力側に台風襲来年月日の情報を陽に考慮した予測システムを開発し、台風進行経路と最大瞬間風速のみを入力とする場合と比べて被害予測の精度が向上することをシミュレーションで確認した。 本研究の成果により、電力系統の台風被害予測において、最悪被害量を想定した復旧計画が可能となり、台風時の停電時間短縮や復旧コスト低減などに資する意義がある。
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Research Products
(4 results)