2013 Fiscal Year Research-status Report
高分解能ドップラーライダーによる大規模施設空間の風速分布計測法の開発
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24560526
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
柴田 泰邦 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (10305419)
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Keywords | ライダー / 風速 / ドップラー |
Research Abstract |
課題であったVBG(Volume Bragg Gratings)の透過/反射スペクトルの温度依存性による影響を抑えるため、VBGの温度安定化を追求した。具体的には、±0.01℃で温度を安定化させるため、制御方法を複数試したが、レーザー周波数の揺らぎの影響が無視できず、システム誤差として1.0m/sを下回ることができなかった。そこで、レーザ周波数と透過/反射スペクトルの相対的な位置、つまり「見かけ上のドップラーシフト」を常時モニターする機構を開発し、ライダー観測後の風速結果から見かけ上のドップラーシフトから得られる風速を差し引く手法を提案した。これにより、VBGの温度安定度±0.01℃以内の条件で、VBGの温度依存性とレーザ周波数の揺らぎに起因する誤差が0.1m/s以下に抑えられることを実験で確認した。 光源はCW光であるため、レーザ出力後に光強度変調器を設置することでレンジングを可能にし、パルス幅を調整することで距離分解能を任意に設定できるように工夫した。レーザーパルス出射後、次のパルス光が出るまでの間、上記の見かけ上のドップラーシフトのモニターを実施する機構を開発中である。課題は、パルス光出射時間中にモニター用光経路に漏れこむCW光を抑えることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
VBGの温度依存性とレーザ周波数の揺らぎに起因する見かけ上の風速誤差を0.1m/s以下に抑えることに成功したことで、VBGを使った風速測定に目途がついた。またCW光をパルス化したことで、今年度予定していた項目をほぼ達成した。 ライダー観測中に見かけ上のドップラーシフトを常時モニターする機構が未完成であるが、概ね目途がついており、実際の風速測定を行う準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
風速測定中にこの見かけ上の風速誤差を常時モニターする機構が完成すれば、最終年度に予定している実際に大気中の風速測定を実施できる。 完成したライダーを学内の体育館やホールに持ち込み、現有の超音波風速計近傍の風速を測定し、風速測定の性能について評価する。
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Research Products
(5 results)