2012 Fiscal Year Research-status Report
筋音によるヒトの運動時における粘弾性調節機構の解明
Project/Area Number |
24560530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内山 孝憲 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50243324)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋音 / システム同定 / 粘弾性 |
Research Abstract |
1. 自転車こぎ運動中の筋音,筋電,膝関節角度および足関節角度を計測するシステムを構築した.対象とする筋を大腿の筋である外側広筋とした.予備実験により,ペダルを踏み込むときで膝関節角度が80度のときに筋活動が大きくなった.そこで膝関節角度が80度で,ペダルを踏み込むとき(down phase)と引き上げるとき(up phase)に電気刺激を皮膚の上から筋に与えて筋音を計測した.また,自転車漕ぐ運動による加速度を取り除くため,電気刺激を与えないで同様の計測を行った.筋音のピークはdown phaseでは電気刺激から0.020秒後に,up phaseでは0.026秒後に観測された.また平均パワー周波数はdown phaseでは23.6 Hzでup phaseでは19.3 Hzであった.これらのことは,固有周波数が高くなっていることを示しており,筋の弾性が増加していることを示すものである.加速度センサを用いる筋音計測では動作による加速度が筋音に混入することが問題であり.また筋音から筋の弾性を推定するためには運動のための筋活動に筋音を消去し,電気刺激による筋音のみを抽出する計測・解析システムの構築に成功した. 2. 筋音のシステム同定による解析においては,筋線維が筋の走行方向に平行な筋(平行筋)では,入力が電気刺激で出力が筋音であるシステムの伝達関数の次数が筋線維が筋の走行方向に対して傾斜している羽状筋の6次から4次に低下することを明らかにした.これは,羽状筋では筋線維の短縮が皮膚表面の振動として直接観測されるが,平行筋では筋線維の側方への拡大が筋線維の特性を表す振動して皮膚表面で観測されるため,相対的に信号の振幅が小さく,同定されないためであると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに自転車こぎ運動中の電気刺激による誘発筋音を計測するシステムを構築することができた.また,ペダルを踏む込むときと引き上げるときの筋の弾性の変化を間接的に示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
自転車漕ぎ運動中に電気刺激を与えたときの誘発筋音のSN比を向上させて,システム同定により直接的に筋の弾性の変化を調べる.トレッドミル上を歩行しているときの,筋電,筋音,膝関節角度および足関節角度を計測するシステムを構築する.歩行時の誘発筋音から筋の粘弾性を推定する解析方法を確立する,
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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