2014 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の網膜電位特性に学ぶLED光による害虫(ガ・ゴキブリ)防除光源装置の開発
Project/Area Number |
24560531
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40181185)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ERG信号 / LED光源 / 害虫防除 / ヤガ類 / ゴキブリ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は化学農薬に替わる害虫防除方法を模索しており、超高輝度型LEDの諸特性を積極的に利用した物理的な新しいタイプの害虫防除光源装置の開発である。本申請では、開発にあたり近年特に農作物に被害を多くもたらす特定害虫種(チャバネアオカメムシ,オオタバコガ,ハスモンヨトウ)や家庭内で特に嫌がられているゴキブリなどの両害虫種に対して、光照射時に複眼の網膜に誘発する網膜電位応答(ERG信号)特性を明らかにし、そのデータと行動観察とを関連付けることにより、効果的な防除や駆除の物理的方法の確立を行う。将来的には、発生中の各種害虫のERG信号を短期間で計測し、その害虫に対して有効なLED光源の色や照射方法を推定し、例えば農作物の栽培現場で生かせる防除光源装置やゴキブリ駆除光源装置を提供できる事を最終目的とした。初年度には、従前から整備してきた実験系の再構築を行うことで、これまで以上の高S/N比で質の良いERG信号を計測できる新たな計測システムの充実を実施する。すなわち自作の生体電位アンプ(計測用アンプ)の再設計及び試作を行った。また、これまで多くのLED光源パネルを試作した廃物品があるので、それを積極的に改造し有効利用した。LEDの照射方法は「連続光」「パルス光」「ゆらぎ光」がターゲットである。2年目には、ERG信号の継続計測および新種の害虫種に対応し、特に多くのヤガ類の色覚特性のデータベースを作成した。最終年度では、前年度のERG信号の継続計測を実施して可能な限り多くのデータを収集し、更なる信頼性の高い基礎資料収集を実施した。また、当初の目標に従いゴキブリの防除あるいは駆除光源装置開発の取り組みにも着手した。ゴキブリの基本的な色覚特性の収集に成功したことから、予備的であったが行動観察装置を試作して、各種光線による誘引や忌避行動の基礎資料を得た。これにより将来的なゴキブリの物理的防除方法の確立ができた。
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Research Products
(2 results)