2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハール変換と勾配予測による高精細画像の圧縮に関する研究
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24560532
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
山谷 克 名城大学, 都市情報学部, 教授 (80293611)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高精細画像 / 画像圧縮 / ハール変換 / 勾配予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,テレビ,携帯端末,パーソナルコンピュータ等の性能が急速に向上したことによって,これまで主に科学技術分野や医療分野といった専門的な分野で利用されてきた高精細なディジタル映像情報が,一般の利用者にも広く利用される機会が増えてきている.映像情報は,視覚的な理解を助ける重要な情報となるため,今後,高次元かつ高解像度な映像情報に対する需要はさらに高まることが予想される. 高精細ディジタル画像にブロック単位の離散コサイン変換に基づく圧縮処理を適用した場合,一般に,各々のブロックサイズ(基底のサイズ)を大きくしたほうが圧縮効率は高くなることが知られている.しかしながら,画像のピクセル数をM,ブロックのサイズをNとすると,離散コサイン変換の演算量はオーダーMlog2Nに従い増大するため,ブッロクサイズNを大きくとることは好ましくない. 本研究では,高精細ディジタル画像の圧縮問題に対し,圧縮時に失われた勾配情報を,画像の再構成時に周囲のデータから予測・復元する手法を提案した.本手法は,ハール変換と呼ばれる非常に単純な演算から構成される周波数変換に基づいており,膨大なデータのリアルタイム処理に適している.ハール変換は最も単純な離散ウェーブレット変換であり,その演算量は画像のピクセル数Mのみに従う.したがって,高精細ディジタル画像の圧縮効率をあげるために基底のサイズを大きくしても,変換全体の演算量への影響を問題にする必要はない.また,すべての演算は加減算とビットシフトによって構成される.演算量の面でのこれらの大きなメリットは,今後ますます高精細化されるディジタル画像の圧縮において,より強く生きてくるものと考えられる.
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