2014 Fiscal Year Annual Research Report
可変力学拘束を持つ周期運動系としての次世代歩行制御理論の基盤構築
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24560542
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浅野 文彦 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (70415066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 祐志 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00456691)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 制御工学 / システム理論 / 歩行ロボット / 機械力学 / 生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は主に以下の研究成果を得た。
数値積分に依存しない劣駆動歩行系の安定性解析の理論研究を更に推進し、次の成果を得た。運動の近似線形化に基づく定常歩行周期の近似解析解の導出法を新たに確立し、これを応用した目標歩行速度制御系設計の基礎理論構築を行った。また、段差を昇降する際の状態誤差遷移関数の導出法の提案、およびこれを用いた不整地における歩容の安定性の定義に関する基礎的検討を行った。これらの理論的成果の実験的検証を進める過程で、理論と実際のギャップが明確になり、身体フレームが生成する微振動の影響についても検討を開始した。揺動質量をもつ連結型リムレスホイールのモデルを用いて、胴体フレームが生成する支配的な微振動のダイナミクスを再現し、数値シミュレーションを通して歩容に与える影響を考察した。そして、ロボットと環境のダイナミクスの支配関係を明確化した実験を行うために、高剛性なリムレスホイールを用いた歩行データ計測システムの設計開発を行った。
上記の研究に平行して、解析的取り扱いが困難な歩行系、特に直動関節をもつ歩行系と支持脚接地点の滑り接触を伴う歩行系についても研究を推進した。前者については、パラメータ励振原理に基づく2脚ロボットの定常歩行を対象として近似線形化に基づく安定性解析を行った。更に直動脚をもつリムレスホイールを対象として、脚の伸張制御による回復エネルギーと着地時の衝撃による損失エネルギーとの平衡関係に基づく数値積分に依存しない安定性解析方法の検討を行った。後者については、遊脚自由度をもち支持脚接地点の滑り接触を伴う安定な受動コンパス歩容が存在すること、すなわち受動歩行には脚の振り運動だけでなく支持脚接地点に関する自己安定化機能も内在することを示した。この成果は、安定な受動歩行運動を実現する最低必要条件を再認識させる重要なものである。
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Research Products
(21 results)