2013 Fiscal Year Research-status Report
概周期運動のための制御理論の構築 ―実用的なヒューマンアシスト技術開発に向けて
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24560549
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平田 健太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (00293902)
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Keywords | 周期運動 |
Research Abstract |
概周期運動のモデル化に関連して, 状態遷移作用素(モノドロミ作用素)によるむだ時間系のシステム表現と安定解析法に関する研究を推進している. 高次微分情報を用いた多項式補間に基づく数値計算法について, 国内学会で発表した. 滑らかな空間で定義されたモノドロミ作用素のコンパクト性, 高次多項式近似によるスペクトルの連続性の数学的な証明を与えた結果を国際会議で発表予定である. また, 異なる関数空間上で定義されたモノドロミ作用素のスペクトルの不変性に関する共同研究も進行中である. 具体的な制御方策に関しては, むだ時間の伸縮を考慮した繰返し制御に関する論文が, 計測自動制御学会論文誌に掲載された. また, 適応ノッチフィルタを用いて, ペダリング周波数の変動に対応したアシストを行なう方法についての共同研究も進めており, 共著成果を国際会議で発表した. さらにむだ時間系に対する状態予測制御を, バックステッピングを用いて分布系と集中系の直列結合に変換して取扱うKristicらの研究に触発され, 離散時間の状態予測制御系の固有値の配置に関する考察も行った. その結果は国際会議で発表している. 変動する周期外乱を, LPVシステムに対する状態オブザーバによって推定し, 制御する方法についても検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に示したように, 各項目および関連分野に対して論文掲載を含む一定の成果が得られている. そのため, 研究全体としてはおおむね順調に進展していると評価している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の異動に伴い, 空気圧アシスト機器を用いた, より実証的な開発研究との緊密な連携が可能となった. この利点を最大限に活用して, 理論的な成果にとどまらず, 研究の最終年次における具体的な成果にも結びつけていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
重複を避け, 補助金を効率的に執行するために, 新所属への異動をにらんで, 一部の機材やソフトウェアの購入を保留した.そのために次年度使用額が生じている. 新所属での現有設備・ソフトウェア等を勘案し, 当課題の研究環境の再構成のために計画的・重点的な支出を行なう.
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Research Products
(6 results)