2012 Fiscal Year Research-status Report
多機能携帯情報端末に対応した制御系CADシステムの開発
Project/Area Number |
24560550
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 雅伸 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (90251644)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 制御工学 / 制御系CAD / 数値計算 / 携帯情報端末 |
Research Abstract |
本研究では、申請者のグループが開発した基盤数値計算ライブラリ(NFC)および制御系モデリング・シミュレーションツール(Jamox)を多機能携帯情報端末(Android端末)へ移植し、マルチタッチ操作や端末に搭載されているセンサーを活用することで、操作性や利用満足度を向上させた制御系CADシステムを構築することを目的とする。今年度は具体的に以下の内容を実施した。 まず、大容量のメモリを搭載したソフトウェア開発サーバに開発ソフトウェアをインストールし、多機能携帯情報端末(Android端末)のソフトウェアの開発環境を構築した。なお,開発効率を高めるため1台のサーバ上に複数の仮想計算機を作成し、端末毎に開発環境を準備した。 次に、PC端末で動作するNFCを多機能携帯情報端末へ移植した。端末のメモリサイズ不足に対応できようライブラリを分割し、必要最小限のクラスを携帯情報端末へ移植できるようにした。NFCには汎用的な数値を表すNumericalScalarクラスや汎用的な数値行列を表すNumericalMatrixクラス等が定義されており、これらのクラスを用いて制御系開発における数値計算で必要となる複素数や行列等のクラスを定義できるようになった。また、基盤数値計算ライブラリNFCに含まれる常微分方程式や代数方程式を解くためのソルバーを多機能携帯情報端末へ移植し、シミュレーション計算を実行するためのソルバーを開発した。 そして、システムの分類に対応するJavaインターフェースを定義し、それらを組み合わせることで、複数の性質を持つシステムを定義できるようにした。さらに,具体的で基本的なシステムを表すクラスやユーザが独自システムを定義するための雛形を抽象クラスとして定義した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者のグループが開発したPC端末で動作する基盤数値計算ライブラリ(NFC)の多機能携帯情報端末(Android端末)への移植が完了し,心配された端末のメモリ不足による問題は確認されなかった。また,NFCに基づく常微分方程式や代数方程式を解くためのソルバーの多機能携帯情報端末への移植が順調に進んだ。さらに,システムの分類に対応するJavaインターフェースおよび複数の性質をもつシステムを定義する手法について一定の成果が得られた。これらのことより、研究目的の達成度について、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによる数値計算エンジン(matj)を多機能携帯情報端末(Android端末)へ移植する。この数値計算エンジンを用いることで、MaTX言語で記述された制御系の解析や設計のための多くの関数資産を携帯情報端末で利用することが可能となる。また,Android OSのGUI作成機能を用いてモデリング・シミュレーションツールのGUIを開発する。このとき、申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによるモデリング・シミュレーションツールのGUIとの共通化を検討する。 そして,多機能携帯情報端末のユーザインターフェースの特徴の一つであるマルチタッチ操作を活用し、対象の移動、回転、ズームなどの動きを直感的に入力することができるようにし、操作性を向上させる。また、加速度センサーやジャイロスコープ等の多機能携帯情報端末に搭載されたセンサーを活用することで、制御系CADシステムを楽しく、面白く、心地よく使用できるようにし、ユーザエクスペリエンス(利用満足度)を向上させる。 なお、本研究で開発したモデリング・シミュレーションツールに興味を持たれている他大学等の教員に協力を依頼し、大学等の演習や実験で使用して頂き、できるだけ多くの人から評価を収集し、ユーザインターフェース等を改善する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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