2013 Fiscal Year Research-status Report
多機能携帯情報端末に対応した制御系CADシステムの開発
Project/Area Number |
24560550
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
古賀 雅伸 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (90251644)
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Keywords | 制御工学 / 制御系CAD / 数値計算 / 携帯情報端末 |
Research Abstract |
本研究では、申請者のグループが開発した基盤数値計算ライブラリ(NFC)および制御系モデリング・シミュレーションツール(Jamox)を多機能携帯情報端末(Android端末)へ移植し、マルチタッチ操作や端末に搭載されているセンサーを活用することで、操作性や利用満足度を向上させた制御系CADシステムを構築することを目的とする。今年度は具体的に以下の内容を実施した。 まず、申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによる数値計算エンジン(matj)を多機能携帯情報端末(Android端末)へ移植した。この数値計算エンジンを用いることで、MaTX言語で記述された制御系の解析や設計のための多くの関数資産を携帯情報端末で利用することが可能となった。 次に、Android OSのGUI作成機能を用いてモデリング・シミュレーションツールのGUIを開発した。このとき、申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによるモデリング・シミュレーションツールのGUIとの共通化を実現した。 そして、多機能携帯情報端末のユーザインターフェースの特徴の一つであるマルチタッチ操作を活用し、対象の移動、回転、ズームなどの動きを直感的に入力することができるようにし、操作性を向上させた。なお、本研究で開発しているモデリング・シミュレーションツールに興味を持たれている他大学等の教員に協力を依頼し、ユーザインターフェース等に関する評価をできるだけ多く収集するようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによる数値計算エンジン(matj)の多機能携帯情報端末(Android端末)への移植が完了し、心配された端末のメモリ不足による問題は確認されなかった。また、申請者のグループが開発したPC端末で動作するJavaによるモデリング・シミュレーションツールのGUIと本研究で開発しているAndroid OSのGUI作成機能を用いたモデリング・シミュレーションツールのGUIを共通化できた。さらに、多機能携帯情報端末のユーザインターフェースの特徴の一つであるマルチタッチ操作を活用し、直感的な操作が可能となった。これらのことより、研究目的の達成度について、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
Androidにおける3D描画APIであるOpenGL ESを用いてメカニカルシステムのシミュレーション結果を可視化する3Dアニメーションツールを開発する。このとき、多機能携帯情報端末のユーザインターフェースの特徴の一つであるマルチタッチ操作を活用し、対象の移動、回転、ズームなどの動きを直感的に入力することができるようにし、操作性を向上させる。 そして、加速度センサーやジャイロスコープ等の多機能携帯情報端末に搭載されたセンサーを活用することで、制御系CADシステムおよび3Dアニメーションツールを楽しく、面白く、心地よく使用できるようにし、ユーザエクスペリエンス(利用満足度)を向上させる。 さらに、申請者のグループで開発中のPC端末で動作する制御系開発手法の学習支援システムを多機能携帯情報端末へ移植し、携帯情報端末で利用可能な制御系のモデルベースト開発手法の学習支援システムの開発を目指す。 なお、本研究で開発しているモデリング・シミュレーションツールに興味を持たれている他大学等の教員に協力を依頼し、大学等の演習や実験で使用して頂き、できるだけ多くの人から評価を収集し、ユーザインターフェース等を改善する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に発売が予定されていた多機能情報端末の購入を計画していたが,発売が延期されたため次年度使用額が生じた。 来年度の前半には,購入を予定していた多機能携帯情報端末が発売される見込みであるため,その購入に次年度使用額を充てる。
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