2013 Fiscal Year Research-status Report
非線形フィードバック系の最適性に関する統一理論の構築と進化論的設計
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24560551
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井前 讓 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30184807)
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Keywords | 統一理論 / 非線形最適制御問題 / HJB方程式 / 進化型計算 / 非可微分関数 / ハイブリッド最大原理 / デスクリプタ表現 |
Research Abstract |
(3)非可微分HJB方程式に対する進化論的設計法(その1) (a)可微分HJB方程式:課題である有限時間HJB方程式解法について検討した.有限時間最適制御問題を,GPが取扱い容易な無限時間最適制御問題へと変換する手法,および有限時間解を級数展開で近似する際の問題点をそれぞれ検討した.また,正準形式表現による統一理論のさらなる発展を試みた.その際,仮想システムの導入により自然な形でジャンプ現象が回避できること,また,HJB方程式を一般化した最大原理形式表現により統一理論が可能であることを明らかにした.さらに,課題となっている仮想時間の解消に関し,設計段階においてある種の工夫を加えるならば解消は部分的に可能であることを明らかにした.なお,正準形式表現以外の統一理論にデスクリプタ表現がある.進化計算との相性が良好な場合には有効な設計手法となるため,従来の成果に磨きを加え,アルゴリズムの安定性に関しより一層の完成度を実現した. (b)非可微分HJB方程式:非可微分なHJB方程式を可微分な関数近似で解く場合,近似の仕方が大きく影響する.進化型計算も,可微分な関数を利用する際には大きく影響を受ける.したがって,非可微分解(粘性解)と可微分解との関連を非ホロノミック系や双線形系を対象に検討し,非可微分な点集合を求める解析的手法を確立した.それに基づき2種類の近似手法を創出することに成功した.進化型計算との相性は今後の課題とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非可微分な関数を対象とする際に,可微分な関数を利用することを考えている.HJB方程式を基軸とした非可微分関数(可微分関数で近似)と進化型計算との融合に関しては全くの未開拓分野であるため進化型計算のプログラム作成が進んでいないのが現状である.
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Strategy for Future Research Activity |
(4)非可微分HJB方程式に対する進化論的設計法(その2) (c)数値実験による検証:非可微分関数を可微分関数で近似する新たな手法を2種類創出した.この成果に基づけば進化型計算のプログラム作成が急速に進むと予想される.実モデルも含めて実用的な観点からの検証を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
非可微分関数と可微分関数の関係の解明が遅れる傾向にあった.そのためその解明に集中する結果となり,成果発表のための会議出席または研究討論などが比較的少なくなったためである.集中の甲斐あって討論可能なアイデアが生まれており今後に期待している. 上述の理由にも記したが,非可微分関数と可微分関数を結びつける有効なアイデアが2種類創出することができた.今後は,このアイデアを基に,多くの研究者および現場の従事者などと深く討論し,実用的な観点から設計手法の内容を磨いていく予定である.したがって,旅費,謝金,物品費などに全般的に配分する.もちろん,非可微分対応の新たなアイデアも同時に模索する.
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Research Products
(2 results)