2013 Fiscal Year Research-status Report
非対称・速度依存型ヒステリシスのモデリング・高精度制御及びその応用
Project/Area Number |
24560553
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
陳 新開 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (50273347)
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Keywords | スマートマテリアル / ヒステリシス / 高精度制御 / ナノテクノロジー / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究において、簡単のため、入力側に非対称・速度依存型ヒステリシスを含む線形動的システムの適応制御について考察した。前年度で提案した非対称・速度依存型ヒステリシスのモデルを用いて、線形システムとヒステリシスのダイナミックスを併せて一つの複雑なシステムとして取り扱うことにした。適応アルゴリズムを提案し、複雑なシステムのパラメータ及びヒステリシスの密度関数をオンライン的に推定する手法を提案した。そして、これらの推定に基づき、システムの出力誤差は設計パラメータによって高精度で制御できるようなロバスト適応制御則を合成した。それから、閉ループシステムの安定性を証明し、システムの出力誤差がゼロへ収束することを解析的に示した。さらに、計算機シミュレーションを行い、提案した制御法の有効性を検証し、パラメータの選択基準などを明らかにした。 制御設計に使える非対称・速度依存型ヒステリシスのモデル提案及びその同定・制御において、本研究は初めての試みである。ここで得られたモデルを用いて、非対称・速度依存型ヒステリシスを含む動的システムにおける適応制御アルゴリズムを構成した。この手法を応用することにより、優れた特性を持つスマートマテリアルを用いたシステムの高度化制御の実現が可能となる。よって、スマートマテリアルの生かせる応用領域がより広くなり、バイオテクノロジー・ナノテクノロジーなどの分野においてより高質な成果が得られることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年度において、当初に提出した研究計画に沿って研究を進めてきた。研究目的の研究課題3を取り込んで、比較的満足できる結果を得た。 研究課題3:非対称・rate-dependent型ヒステリシスを含む動的システムの適応制御則を提案する。 特に、モデルの不確かさを持つ動的システムに対し、そのロバスト制御則を考察する。 この研究課題に関する研究成果を論文誌論文1編、国際会議論文5編にまとめ、発表した。さらに、2編の論文を2014年度の国際会議に、2編の論文を論文誌に投稿しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
これからも、当初に提出した研究計画に沿って、下記の研究課題4を取り上げ、研究を進めていく。 研究課題4:超磁歪アクチュエータで駆動するナノポジショナの高精度位置決め制御を実現する。 研究課題4について、まず、高精度位置決め装置ナノポジショナを作り上げる。そして、このナノポジショナの数学モデルを定式化する。それから、研究課題3で得られる制御則を利用し、計算機シミュレーションを行い、コントローラの最適パラメータを大まかに選定する。続いて、実験を行い、外部条件を変えながら、提案手法の有効性・ロバスト性・実用性を確認する。さらに、従来の制御法と比較し、提案手法の利点・欠点を明らかにし、実応用を目指していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度が本研究課題の最終年度なので、結果発表や論文出版などが多数予想されている。しかし、平成26年度において、80万円の交付金しかない。よって、(B-A)の額を平成26年度の研究費と合わせて、学会参加や論文出版などに当てるつもりである。 平成26年度の研究費と合わせて、学会参加や論文出版などに当てるつもりである。
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Research Products
(6 results)