2014 Fiscal Year Research-status Report
非対称・速度依存型ヒステリシスのモデリング・高精度制御及びその応用
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24560553
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
陳 新開 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (50273347)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スマートマテリアル / ヒステリシス / 高精度制御 / ナノテクノロジー / バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
超磁歪アクチュエータで駆動する超高精度位置決め装置ナノポジショナを作成し、そのモデルを“入力側に非対称・速度依存型ヒステリシス及び未知な外乱を含む線形動的システム”で表した。未知な外乱を含んでいるため、前年度で提案した“入力側に非対称・速度依存型ヒステリシスを含む線形動的システムの制御手法”は直接応用できない。そこで、外乱を対処できるように前年度で提案した制御手法のロバスト適応性を改善した。そして、閉ループシステムの安定性を証明し、システムの出力誤差を設計パラメータで制御できることを解析的に示した。続いて、計算機シミュレーションを行い、改良した制御法の有効性を検証し、パラメータの選択基準などを明らかにした。それから、ナノポジショナへ応用し、計算機シミュレーションを通じ、コントローラの最適パラメータを大まかに選定した。最後に、ナノポジショナの高精度制御実験をスタートした。 入力側に非対称・速度依存型ヒステリシス及び未知な外乱を含む線形動的システムの制御において、本研究は初めての試みである。この手法を応用することにより、優れた特性を持つスマートマテリアルを用いたシステムの高度化制御の実現が可能となる。よって、スマートマテリアルの生かせる応用領域がより広くなり、バイオテクノロジー・ナノテクノロジーなどの分野においてより高質な成果が得られることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度において、研究課題4(超磁歪アクチュエータで駆動するナノポジショナの高精度位置決め制御を実現する)を取り上げてきた。しかし、ナノポジショナにおいて、未知な外乱を含んでいるため、前年度で提案した入力側に非対称・速度依存型ヒステリシスを含む線形動的システムの制御手法は直接応用できない。外乱を対処できるように、前年度で提案した制御手法のロバスト適応性を改善しなければならない。ここで、制御手法の改善及びその解析・検証・パラメータ選択基準策定が時間をかかった。また、改良手法をナノポジショナへ応用した場合、コントローラの最適パラメータの選定は予想より時間がかかった。よって、ナノポジショナの高精度制御実験の遂行及びその目標達成がやや遅れた。 平成26年度において、研究成果を論文誌論文3編、国際会議論文4編、国内会議論文3編にまとめ、発表した。さらに、3編の論文を平成27年度の国際会議に、2編の論文を論文誌に投稿しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
これからも、引き続き研究課題4を取り上げ、研究を進めていく。
研究課題4:超磁歪アクチュエータで駆動するナノポジショナの高精度位置決め制御を実現する。 まず、平成26年度で構築したナノポジショナの制御理論を検証し、計算機シミュレーションを通じ、コントローラ最適パラメータの選定基準を明白にする。それから、ナノポジショナの高精度位置決め制御実験を行い、外部条件を変えながら、提案手法の有効性・ロバスト性・実用性を確認する。続いて、従来の制御法と比較し、提案手法の利点・欠点を明らかにする。そして、超磁歪アクチュエータで駆動するナノポジショナの高精度位置決め制御を実現し、実応用を目指していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度において、研究課題4(超磁歪アクチュエータで駆動するナノポジショナの高精度位置決め制御を実現する)を取り上げてきた。しかし、平成25年度で提案した制御手法がナノポジショナの高精度制御へ直接応用できないため、制御手法ロバスト性の改善及びその解析・検証などが時間をかかった。また、計算機シミュレーションやコントローラの最適パラメータ選定は予想より時間がかかったため、実験の遂行が遅れた。よって、来年度においても、継続してナノポジショナの高精度位置決め制御実験を行い、提案手法の有効性・ロバスト性・実用性を確認し、その利点・欠点を明らかにし、実応用を目指していきたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
制御実験で発生する消耗品、結果発表における学会出席、研究成果の論文出版などの費用に当てるつもりである。
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Research Products
(10 results)