2012 Fiscal Year Research-status Report
微小ノイズ印加時におけるMMOs現象の挙動に関する解析
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24560556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
遠藤 哲郎 明治大学, 理工学部, 教授 (60247145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 直彦 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (90213123)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MMOs現象 / カオス / 非線形回路ダイナミックス |
Research Abstract |
昨年度は、回路基板上に拡張BVP発振器を作成し、MMOs(mixed-mode oscillations)現象をオシロスコープ上で観察しようと試みた。これが昨年度の主たる研究成果である。 拡張BVP発振器の3次多項式で近似される非線形負性抵抗はオペアンプを用いて実現できる線形負性抵抗に並列に対で逆向きのダイオードを挿入することによって実現した。また、拡張BVP発振器の2つの電圧源はバッファ回路と反転増幅器を用いて実現した。回路結果、過渡的なMMOs現象は観察されたが、定常的に完全に安定なMMOsを観察することは非常に難しかった。その代わりに、オシロスコープ上にはMMOsの代わりにカオス的な波形が観察された。これは当初より予想していた通りの結果である。 その現象を説明するためのモデルとして、微小外力を印加したモデルを提案した。現実の系にはノイズが存在するわけであるが、回路を集中定数回路として扱うため、挿入する外力の位置により2つほどモデルを提案した。そして簡易的な数値シミュレーションを行ってみた。ただし、外力には簡単のため周期性を仮定した。その結果、数値実験においても外力の振幅の大きさが1/1,0000程度の小ささで、MMOs現象の代わりにカオスが観察された。最終的には分岐集合を作成し、MMOsが壊れやすい構造を持っていることを明らかにすることを目的としている。また、数値実験では、与える周期外力の角周波数の大きさが低い場合より、高い場合の方がカオスが現れやすいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、回路実験、数値実験ともに当初の予想された結果が得られている。すなわち、定常的に安定なMMOs現象は観察されず、その代わりに回路実験ではカオスが観察された。また、微小外力印加時にもMMOsはカオスへと容易に分岐した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は、微小ノイズの代わりに微小周期外力を用いて数値実験を行ったが、本年度は、外力をガウス雑音と見なして、数値実験を行う。 昨年度の回路実験結果から、もうひとつ遂行すべき数値実験が生じた。電源のドリフトを考慮した場合の数値実験である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の主たる目的は、回路実験だが非常に綺麗ながMMOsの崩壊によるカオスが観察されたので、今年度海外の学会で研究発表を行いたい。
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Research Products
(12 results)