2012 Fiscal Year Research-status Report
微細細孔と水分移動に着目したポーラスコンクリートの凍害劣化機構に関する研究
Project/Area Number |
24560561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
徳重 英信 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80291269)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
(1)天然ゼオライト骨材および粉末混和材の細孔構造の評価,およびセメントペースト内に粉末を混和した場合の粉末混和率をパラメータとした細孔構造の変化について,学内他研究者が有している窒素吸着法を用いた細孔分布測定装置により,試験的に測定を行った。その結果,それぞれの供試体について概ねの細孔分布を測定することができた。しかし,測定材齢によってい細孔分布が異なるため,次年度は材齢もパラメータにおいた測定が必要であることが明らかとなった。 (2)天然ゼオライトを用いたポーラスコンクリートの凍結融解試験を行った。実環境を想定し,かつ水分がポーラスコンクリート内に滞留した過酷な条件を想定したRILEM CIF試験をベースとした試験を,準備試験として現有の-20℃までの低温恒温恒湿器を用いて実施した。その結果,天然ゼオライトを骨材として用いたポーラスコンクリートは融点以下で大きな収縮挙動を示すことが明らかとなり,さら細骨材を用いた場合には融点付近で大きな膨張,融点以下で大きな収縮を起こすことが明らかとなった。しかし,供試体温度が-10℃までしか下がらず,購入予定としていた-70℃まで低下可能な超低温恒温恒湿器の設備導入を併せて開始した。 一方,天然ゼオライト粉末を混和した場合には,骨材に普通骨材を用いると融点下での膨張が著しくなるが,天然ゼオライト粗骨材と併用するとその膨張は認められないことも明らかとなった。 以上の成果は第67回セメント技術大会(平成25年5月開催)において発表し,現在論文作成を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)天然ゼオライト骨材および粉末混和材の細孔構造の評価,およびセメントペースト内に粉末を混和した場合の粉末混和率をパラメータとした細孔構造の変化について,細孔構造変化については概ね傾向をとらえることができたが,材齢の影響が当初の想定より大きく,次年度にこれをパラメータとした測定を再度行わなくてはならない。 (2)天然ゼオライトを用いたポーラスコンクリートの凍結融解試験について,本実験に梁前での予備実験を行うことは現有装置の-20℃までの低温恒温恒湿器で実施し,定性的には挙動を追うことができたが,実験に手間取ったため当初計画より4ヶ月ほど遅れた。さらに,本実験を行うにあたり必須である超低温恒温恒湿器については,当初予算を下回ったため廉価版の購入をメーカと相談したが,必要な性能を持つ機器を導入するのに当初計画より4ヶ月遅れた。 上記の理由により,当初計画より4ヶ月程度遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
時間的に当初計画より4ヶ月遅れているが,概ね実験環境の整備が整ったため,遅れをとりもどすべく現在邁進しているところであり,当初計画の25年度計画を予定どおり進めていく。一部,測定用PCが不調なため,以下に記載する研究費使用計画に盛り込む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費については,概ね当該年度当初予定・申請どおりの研究費を申請している。一部,測定用PCが不調となったため,急遽購入を計上した。
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