2013 Fiscal Year Research-status Report
超高強度繊維補強コンクリートの繊維の分散・配向の可視化と引張軟化特性
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24560565
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内田 裕市 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (20213449)
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Keywords | 繊維の配向 / 繊維の可視化 / 超高強度繊維補強コンクリート |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの実験を行った。 (1)可視化モデルコンクリートによる繊維の配向の観察 透明な可視化モデルコンクリートを寸法の異なる透明な型枠に打込み,型枠内の繊維の配向を観察した。また,モデルコンクリート流動特性が繊維の配向に及ぼす影響について検討した。主な結果は以下の通りである。①奥行10cm,深さ30cmの比較的の深い型枠に打込むと,繊維は鉛直面内で打込み位置を中心に同心円状に配向する。②型枠面の摩擦を大きくすると,型枠面付近で繊維がコンクリートの流動方向に配向する領域(型枠からの距離)が大きくなる。③薄い板状の型枠に打込むと,繊維は面内で込み位置を中心に同心円状に配向する。④いずれの型枠においても打込み位置によって繊維の配向が大きく変化する。⑤型枠内に2箇所から同時に打込むと,合流部で界面が形成される状況が明確に確認された。⑥モデルコンクリートの流動特性によって繊維の配向は変化するが,配向に最も影響を及ぼす要因は,モデルコンクリートと型枠面での粘着,摩擦である (2)供試体切断面の画像解析による繊維の配向の観察 実際の超高強度繊維補強コンクリート(UFC)内での繊維の配向を評価するため,供試体を切断して得られる繊維の切断面の画像から繊維の配向を推定し上記の可視化モデルコンクリートでられた結果と比較した。なお,ここでは深さ100mm,長さ100cmとして幅を10,20,40cmに変化させて供試体を用いた。画像解析によって得られた結果は以下の通りである。①供試体寸法にかかわらず,型枠面付近では繊維は水平かつ流動方向に配向している②幅の狭い供試体の幅方向中央部では繊維は流動方向斜め上方に配向してる。③幅の広い供試体で側面型枠から離れた位置では繊維は流動方向斜め上方,供試体幅方向の中央側に傾いて配向してる。④以上の結果は視化モデルコンクリートでられた結果と定性的に一致している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コンクリート中の繊維の配向に対するモデルコンクリートの種類の違い,型枠の寸法・形状の違い,および打込み位置の違いの影響を確認し,実際のコンクリート内での繊維の配向ともほぼ一致していることを確認できた点は大きな成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
・可視化モデルコンクリート中の繊維のより鮮明な画像の撮影方法を検討する。 ・切断断面の画像解析による繊維の配向推定の精度を検討する。 ・供試体を切出し,繊維の配向・分散と力学性能の関係を明らかにする。 ・研究成果を論文としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
怪我入院・治療のため実験の一部を次年度に延期したため。 延期した実験を実施するために使用する。
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