2013 Fiscal Year Research-status Report
高解像度棒形スキャナを用いた新しい維持管理手法の開発
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24560568
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 幸広 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90223198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 慎哉 立命館大学, 理工学部, 講師 (70543461)
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Keywords | コンクリート / 微破壊試験 / 棒形スキャナ / デジタル画像 / 削孔 / 塩化物イオン |
Research Abstract |
平成25年度は、棒形スキャナを用いた塩化物イオン浸透深さの検査方法の確立を目的として研究を行った。 従来法による塩化物イオン量の測定において誤差要因となる粗骨材量の偏差を補正するために、ドリル粉を採取した孔内をスキャニングして画像解析により粗骨材面積率を求める方法を提案した。また、所定の深さ毎にドリル粉を簡易に採取できる集塵装置を開発した。測定精度検証実験では、プレーンコンクリートおよびNaClを混入したコンクリート供試体を作製した。混入したNaClは全塩化物イオン量で0.3,1.2,3.0,5.0kg/m3となるようにした。削孔時に発生するドリル粉を深さ20mmごとに採取し、電位差滴定法によって全塩化物イオン量を測定した。その後、棒形スキャナを用いて孔壁面の画像を取得し、所定の深さ毎に粗骨材量の偏差による塩化物イオン量の補正を行い、従来法との測定精度の比較検討を行った。 各ケースとも骨材量の補正を行うことで全塩化物イオン量がNaCl混入量に近い値となった。補正後の各NaCl混入量別の誤差は、混入した全塩化物イオン量が0.3、1.2、3.0および5.0kg/m3の時、それぞれ-3.3%、-5.0%、-6.3%および-2.2%であった。また、変動係数は2.0%前後であり、5本の供試体のばらつきは小さく、本手法の有用性が証明された。従来法では、測定精度を向上させるために複数箇所から試料を採取し分析を行っていたが、本手法により少ない測点で検査できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、棒形スキャナを用いた塩化物イオン浸透深さの検査方法の確立を目的として研究を行い、以下の結論を得たことにより研究はおおむね順調に進展していると判断できる。 (1)ドリル削孔した孔内の壁面画像を画像分析で骨材量を推定することによって全塩化物イオン量を補正する方法を考案した。 (2)本手法の精度を検証するために、NaClを混入した試験体を作製し試験を実施した結果、誤差およびばらつきとも大幅に小さくなり本手法の有効性を確認できた。 (3)従来法では、測定精度を向上させるために複数箇所から試料を採取し分析を行っていたが、本手法により少ない測点で検査できる可能性が示された。 (4)所定の深さ毎にドリル粉を簡易に採取できる集塵装置を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法としては、次年度に点検孔を利用した長期モニタリング方法の開発を行うことを目的とする。 点検孔内のひび割れを観察・測定することは、高解像度センサを搭載した棒形スキャナで可能となるかどうか、模擬試験体を用いて検証実験を行う。模擬試験体としては、ASR生じている構造物から採取したコア試験体を用い、それに削孔して点検孔を形成する。年間の養生期間を通して、ひび割れや反応リムの発生などを観察、計測する。 また、ひび割れ発生に至るまでに生ずるひずみを測定することによってモニタリング方法としての高度化を計る。これまでに複数の画像を用いてデジタル画像相関法によりひずみを算出する方法を開発しており、この方法を棒形スキャナ画像に応用し、構造物内部のひずみ計測から各種劣化の進展状況を詳細に把握するモニタリング技術を開発する。
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