2013 Fiscal Year Research-status Report
土木構造物のライフサイクルにおける情報構造分析とマネジメントに関する研究
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24560569
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
蒔苗 耕司 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (10295404)
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Keywords | 情報マネジメント / 土木構造物 / ライフサイクル分析 / 情報構造分析 / 土木情報学 |
Research Abstract |
本研究は土木構造物のデザインプロセスの情報フロー分析に基づき,情報構造物の存在を実証的に明らかにするとともに,現実の土木構造物と仮想的に定義される情報構造物を有機的に関連させた情報マネジメントの構築を目指すものである. 本年度の研究では,設計情報の生成プロセスとして道路幾何設計に注目し,これまでの研究で明らかとした道路幾何構造の最適化モデルをベースとして,既往の設計プロセスおよび設計基準の問題点を明らかにするとともに,コンピュータの高度利用を前提として最適な情報生成プロセスを実現する設計プロセス,設計基準,運用方法について検討を行った.その結果,現行の設計基準に包含されているロジックを設計支援システムに包含すべきであること,設計基準は上位項目を規定する性能基準として再定義すべきあること,システムに包含されているロジックが正しいか否かを検証するシステムが必要であることを示した.また情報生成の上流工程である概念設計を支援する手法として,バブルダイアグラムをベースとした表記法による概念モデル作成支援ツールの開発,設計段階における情報構造物AR技術により実世界に重畳して表示するシステムの開発を行った. これまでの研究により設計段階における最適な情報生成プロセスが明らかとなったことから,今後は,最適化されたプロセスの中で情報構造物を構築していくためのシステムの開発を進めるとともに,対象とする建設プロセス・分野を拡大してライフサイクル全体での情報生成プロセスの研究を進める.また生成された情報構造物のマネジメントに関する研究を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の理由により,全体としては「(2)おおむね順調に進展している」と評価する. (1) 建設プロジェクトにおける情報構造分析 道路設計を対象とした情報構造分析を進め,情報構造の最適化のための手法を明らかにするとともに,設計基準や運用方法にまで議論を進めることができたこと. (2) 情報の蓄積・マネジメント手法の検討 概念レベルからの情報生成を支援するシステムのプロトタイプ,情報構造物を実世界上に仮想的に重畳表示するARシステムの開発ができ,論文として成果公表ができたこと. なお「情報構造物のライフサイクル分析」については,現在の研究では対象プロセスが限定的であり,今後,対象プロセスの拡大を進めていく必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)情報構造物のライフサイクル分析 情報構造物のライフサイクル分析については,今後も道路建設事業を基本的な対象とした分析を進めることとする.対象プロセスについてはライフサイクル全般に広げ,情報の肥大化するプロセスを明らかにしていく. (2)情報の蓄積・マネジメント手法の検討 (1)の結果をもとに,膨大な情報をどのように管理・活用していくかについての検討を進める.また引き続き効率的な情報生成およびAR技術等を適用した可視化のためのシステムについての研究開発を進める.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分析作業を予定していた時期にアルバイトの確保ができず,謝金の支出額が減少したため. 分析作業のためのアルバイト謝金として充当する.
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Research Products
(5 results)