2014 Fiscal Year Research-status Report
土木構造物のライフサイクルにおける情報構造分析とマネジメントに関する研究
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24560569
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
蒔苗 耕司 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (10295404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 情報マネジメント / 土木構造物 / ライフサイクル分析 / 情報構造分析 / 土木情報学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は土木構造物のデザインプロセスの情報フロー分析に基づき,情報構造物の存在を実証的に明らかとするとともに,現実の土木構造物と仮想的に定義される情報構造物を有機的に関連させた情報マネジメントシステムの構築を目指すものである. 前年度の研究において提案した道路幾何構造の最適化モデルを基盤とし,それに基づいた道路設計プロセスに関するフロー図の作成,海外(米国)の現行道路設計基準等に基づく設計基準の最適化の検討,また最適化された設計プロセスの中での設計者,システム開発者,評価者の関連図の作成を行い,これらの成果を国際会議論文として発表した.また現実環境の中でのデザインプロセスの比較実験が難しいことから,汎用ゲームエンジンにより構築される仮想空間内での比較実験の可能性を評価することを目的として,擬似的な事象の再現性やAR技術の適用可能性についての調査及び避難行動シミュレーション等の簡易システムの構築を行った. これまでの研究により,最適化された情報モデルとそれに対応した設計基準のあり方,運用体制が示されたこと,仮想環境の中でのプロジェクトシミュレーションの構築の可能性が示されたことなどから,最終年度では仮想環境の中でのデザインシステムのプロトタイプを構築し,それに基づくプロジェクト評価について検討を行うとともに,近年大きな課題として注目されている社会インフラの維持管理を重視した情報マネジメント手法に関する考察を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以下の理由により,(3)やや遅れている と評価する. (1)道路プロジェクトにおける情報構造分析 道路設計を対象とした情報構造分析については,最適化モデルを抽出するともに,海外設計基準を含めた基準の検討等を実施しており,概ね達成できたと考えている. (2)情報の蓄積・マネジメント手法の検討 これまでに概念レベルから情報を生成するシステムの構築やARシステムの適用等で一定の研究成果は上がっているが,情報構造物のライフサイクル分析を仮想的に行うためにゲーム環境の導入を検討することとしたため,当初予定に比べ若干の遅れが生じ,当初計画を1年間延長することになった.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)仮想環境の中でのプロジェクト評価の実現 仮想環境の中でのプロジェクト再現及び評価手法のためのシステム構築を行い,その評価を行う. (2)社会インフラの維持管理を重視した情報マネジメント手法に関する考察 これまでの研究成果を踏まえ,近年注目されている社会インフラの維持管理を着実かつ効率的に行うための情報マネジメント手法についての検討を行う. (3)研究成果の取りまとめ 最終年度として報告書及び論文の取りまとめを行う.
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Causes of Carryover |
平成26年度に維持管理を含めたライフサイクルを考慮した情報マネジメントシステムの構築と成果公表を計画したが,研究の新規性を考慮して実証手法を見直す必要が生じた.それに伴いシステム構築環境の変更を行ったことにより,システム分析及び学会での成果公表に関する未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システム分析と学会での成果公表を行うこととし,未使用額はそのための経費として充当する.
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Research Products
(3 results)