2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560574
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 典男 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (10213597)
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Keywords | ポーラスコンクリート / 再生骨材 / 表面性状改善 / 竹筋補強 |
Research Abstract |
再生骨材を適用したPoCの作製に関する課題では、RC40材を適用しPoCを試作した。ここで、購入したRC40材の粒度分布が販売会社で公表されている値、特に5(mm)ふるいを通過する細粒分が極端に異なっていた。このため、購入した粒度分布と整合を取るために、再生細骨材、土粒子を混合しものをRC40材の細粒分とした。また、モルタルの水セメント比を一定((W/C)=50%)とし、流動性を制御するためにRC40材の粗粒分、細粒分に加え再生細骨材を混合した。その結果、モルタルの水セメント比が小さいこと、および土粒子の混合に起因し、モルタル、PoCの強度が小さく、今後の検討課題となった。 PoCの表面性状改善に関する課題では、昨年度の研究成果から表面に粉体を塗布することにより、静水中ではアルカリ成分の溶出抑制効果が期待できることがわかった。しかしながら、H25年度に粉体接着し表面処理したPoCを流水中の瀬や淵に設置した場合には、でんぷん系接着剤の付着力が弱く、1日程度の短期間で粉体が剥離したことから、粉体の新たな接着方法を提案する必要があると考えられる。 最後に、自然環境下における竹筋補強PoCの耐久性を確認する課題では、現在竹筋補強PoCの暴露試験を継続中であり、H26年度に曲げ試験を実施し、耐久性に関する評価を行う予定である。また、竹筋補強したパネル状のPoCブロックを壁面に接着するにあたり、PoCの空隙率が大きく十分な保水性能を有していないことを鑑み、空隙へ粘性土を充填するなどの対策を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再生骨材を適用したPoCに関する課題では、RC材を適用したPoCを作製することにある。本研究の2年目となるH25年度にRC40を適用したPoCの試作を行うにあたり、RC材に対する規定や、使用したRC40材の物理諸量を確認した。その結果、当初設定した課題のうち、原コンクリートの品質に応じた分類を行い強度との関係を評価することは、品質が保証されたRC40材に対しては不要と考えられる。新たな課題として、通常のPoCを作製する場合に比し細粒分の質量割合が多いこと、細粒分中に比較的多くの土粒子が含有されていることから、これらの条件下で設定したPoCに対する要求性能を満足することで、当初の課題を解決できると考えられる。 PoCの表面性状改善に関する課題では、粉体接着により表面性状の改善、アルカリ成分の溶出抑制効果が期待できるが、でんぷん系接着剤では粉体の定着力が弱く、流水中においては粉体の剥離が著しい。このことから、セメントの付着力を利用し粉体を定着させ、さらにPoCの孔からのアルカリ成分の溶出を抑制するための手法を提起することで、課題解決の一助になると考えられる。 一方、竹筋補強PoCの耐久性を確認する課題では、暴露試験も当初設定した期間が終了し、実験を実施し評価・検証することにより、課題を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
再生骨材を適用したPoCの作製に関する課題では、引き続きRC40材を適用しPoCの試作を行う。ここで、H25年度により得られた知見より、市販されているRC40材は路盤材料として適用されるための粒度調整がなされているため、一般的なPoC作製時の配合に比し細粒分が多く、さらに細粒分に土粒子が含まれていることがわかった。このため、モルタルの流動性は水セメント比で制御し、またPoC、モルタルの強度に与える土粒子の影響を評価する。 PoCの表面性状改善に関する課題では、静水中ではアルカリ成分の溶出抑制効果が期待できる。しかしながら、流水中の瀬や淵に設置した場合には、でんぷん系接着剤の付着力が弱く、1日程度の短期間で粉体が剥離したことから、1)PoCが硬化する前に粉体を接着する、2)PoCが硬化した後にセメントペーストで粉体を接着する、等により粉体の定着方法を変化させ、河川の瀬や淵に設置し生物皮膜生成状況を確認する。ここで、セメントペーストにより粉体を接着する場合、粉体によるPoC表面への被覆効果-特に孔の内部-が不十分と考えられるが、孔内部へ粘性土を充填した後、自然環境下へ設置し、効果を検証する。 自然環境下における竹筋補強PoCの耐久性を確認する課題では、H26年度に曲げ試験を行い、耐久性を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
累計旅費の執行が少なくなっているが、これはH24年度における旅費が少なかったためであり、H25年度は概ね当初計画通り執行した。 また、その他の経費の執行が少ないが、当初考えていたよりも資料収集・印刷の需要が少なかったためである。 基本的には採択時の予定を変更せずに予算執行を行うが、H26年度は当初計画よりも学会への出席を多くしたい。 また、その他の経費の残額は消耗品購入などに当てたい。
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Research Products
(4 results)