2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24560577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 栄一 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (40311659)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 維持管理 / モニタリング / 異常検知 / 非線形性 |
Research Abstract |
本研究では,構造物のモニタリングデータから入力と出力との間の関係に含まれる非線形性の発現・変化を迅速に分析・評価できる,新しいデータ分析手法およびDamage Indexを提案するため,①局所的変化に着目したデータ異常検出手法と,入力と出力との間の関係に含まれる非線形性を評価する「非線形量(DON)」の考え方を組み合わせたデータ分析プログラムの開発,②複数の非線形要因を考慮すべく詳細なモデリングを行った実構造物の地震時損傷シミュレーションによる提案手法の有効性検証,③実大構造物実験データに基づく検証,④実際に東日本大震災で被災した橋梁モデルでの検証,⑤センサ位置の提案に対する検討を実施するとともに,⑥モニタリングシステムへの実装を目指す.そのうち,平成24年度は,上記①および②のテーマについて,すなわち,本研究で提案する非線形性発現・変化に着目したデータ分析手法・Damage Indexの分析を可能とし,さらに,その有効性の検討,改良等を行うことができるようプログラミングと地震時損傷シミュレーションの実施を行った. その結果,構造物の損傷に関する有用な情報となり得る入力と出力との間の周波数応答関数(FRF)に含まれる非線形性を評価する「非線形量(DON)」を時系列データに対して時々刻々評価し,その変化(動的DON)を分析可能なデータ分析プログラムを開発した.そのうえで,様々な非線形性を考慮した橋梁の地震時シミュレーションについて,本分析方法を適用し,橋梁に生じる異常の発生時刻,発生位置などを分析できることを確認した. さらに,実際の橋梁におけるモニタリングシステムから取得したデータに対して,本分析方法を適用して,支承の残留変位等の以上を検出できる可能性を示した.従って,本年度は上記⑥に関連する検討も実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,上記のように平成24年度予定していた内容の他,平成25年度に予定していた実構造物におけるデータへの適用に関連する検討を行い,適用性が高いことを確認しており,当初計画以上の進展をしていると判断している.また,室内実験による検証も追加で行ってきており,その点でも信頼度向上を図っている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は,平成24年度に開発した時系列データ分析プログラムおよび動的DON指標について,実大構造物実験データに基づく妥当性および適用性の検証を行うとともに,実際の東日本大震災で被災した構造物を対象にしたシミュレーションによる適用性の検討,および,損傷を検知する適切なセンサ配置の提案の検討,最終的には,現在のモニタリングシステムへの実装を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は効率的に研究費の使用を進めたため,未使用額が生じたが, 今年度は実際に被災した橋梁のシミュレーションを行うなど,詳細な解析を行う予定であるため,解析効率向上のため,解析コードのライセンス数を増設するなどを検討し,平成24年度分の未使用額を活用し,より効率的な検討を進める予定である.
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Research Products
(1 results)