2013 Fiscal Year Research-status Report
各種外力に伴う継手・一体構造管路の挙動解明と耐震計算法の提案
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24560584
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
野田 茂 香川大学, 工学部, 教授 (80135532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 慶寛 香川大学, 工学部, 教授 (00284349)
吉田 秀典 香川大学, 工学部, 教授 (80265470)
宮本 慎宏 香川大学, 工学部, 助教 (80505694)
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Keywords | 継手・一体構造管路 / 疑似静的地震応答解析 / 修正伝達マトリックス法 / 地盤変状 / 耐震計算法 |
Research Abstract |
1) 修正伝達マトリックス法を用いた擬似静的地震応答解析法を適用することにより、一体構造管路を対象に各種外力(軟弱地盤沈下、地割れ、液状化、側方流動)による管路継手の挙動を計算した。条件設定については過去の地盤変状の観測データに基づいて決定した。また、強制加力に伴う管路挙動観測試験を行い、地盤変状時の管路追従性を評価するとともに、解析結果と比較することにより、解析法の妥当性を明らかにした。 2)同様の解析ならびに観測試験を通し、各種地盤変状に伴う継手構造管路の応力・変形状態ならびに追従性を明らかにした。管路継手パターンとしては、耐震性の高い伸縮可とう・離脱防止機能付きメカニカル継手(MD継手)で接続されたDCIPの両側にK型継手あるいはNS型継手で連結された一連のDCIPを配管した。その上で、直管、曲管、T字管における異形管周辺部の挙動や可とう性継手の適用範囲についてメカニズムを解明した。これまではPE管よりなる一体構造管路の耐震実績がなかったので、1)と2)の結果を比較分析することにより、一体構造管路における耐震性の高さを明らかにした。 3)水道施設耐震工法指針・解説2009年版では、簡易計算により、地盤変状に伴う継手構造管路の耐震性評価がなされている。本研究の成果と比較することにより、その精度評価を行い、本解析を用いた新たな耐震計算法について検討した。この点は従来の研究に見られない独創性や革新性を有しており、今後の実務の進展に大きな貢献をすることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には、研究実績の概要欄に記したように、一体構造管路ならびに継手構造管路を対象に各種外力(軟弱地盤沈下、地割れ、液状化、側方流動)による挙動を明らかにし、地震波挙動との相違点を調べた。さらに、水道施設耐震工法指針・解説2009年版における簡易計算法の改善策を検討した。 その結果、研究は平成25年度の研究計画・方法通りに進んでおり、本研究の目的である、1)修正伝達マトリックス法を用いた擬似静的地震応答解析法により、地震波だけでなく、地盤変状(軟弱地盤沈下、地割れ、液状化、側方流動)に伴う挙動を定量的に解明すること、3)各種性能試験の実施後にこれまで検証されていない一体構造管路の異形管周辺部・異種間接合部の応力・変形状態を調べることができた。 よって、交付申請書に記した本研究の目的は十分に達成できたと判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度には次の研究を実施する。 1) 高い耐震性能を有する伸縮可とう・離脱防止機能付きメカニカル継手(大口径)の新製品開発に取り組むため、試作品の製作(主型・中子型含む)、継手機能を補完する大口径用インコアの新規開発、PE管や塩ビ管などの管種に対する性能試験を実施する。 2) 疑似静的地震応答解析により、大口径埋設管路の管種や管路形状、継手特性、異種間接合管路に応じた応力変形計算を行い、実際の水道配水管網の耐震性を評価する。その上で伸縮可とう・離脱防止機能付きメカニカル継手(大口径)に要求される耐震性能を明らかにし、その成果を活用した新製品開発に取り組む。 3) 東日本大震災で被災した大口径管路の耐震対策の再検証を行い、被害メカニズムの解明とともに提案手法の妥当性を検証し、効果的な対策を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は解析中心であったが、平成26年度には解析とともに性能試験の実施を計画している。試験研究費の増額が必要となったため、次年度使用額をその分の研究費に割り当てることとした。従って、平成26年度には当初の請求研究費と合わせた上で、今後の研究推進方策等に記した試験ならびに解析を計画する。 平成26年度には新型継手の開発と最適な耐震計算法の確立に貢献することを目的とする。このため、継手機能を補完する大口径用インコアと高い耐震性能を有する伸縮可とう・離脱防止機能付きメカニカル継手(大口径)の新製品開発に取り組む。その上で、独自の安全で効率的な耐震工法の提案につなげる。 これより、東日本大震災で被害が発生した大口径管路の耐震対策の再検証を行い、耐震形メカニカル継手(大口径)の開発と実用化に見通しをつける予定である。
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Research Products
(4 results)