2014 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート内部を貫通する鋼材に生じる劣化の非破壊評価
Project/Area Number |
24560587
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
白旗 弘実 東京都市大学, 工学部, 准教授 (40298013)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 橋梁 / 腐食 / 鋼・コンクリート界面 / 非破壊検査 / 超音波探傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会基盤の老朽化の問題が指摘されているが,コンクリート床版を貫通した斜材をもつ鋼トラス橋において,コンクリート床版内で斜材が腐食し切断した事象が問題の一つとなっている.本研究の目的はコンクリート部材に埋め込まれた鋼材の腐食を検出することである.平成26年度は超音波探傷試験の適用を中心に検討を行った.適用した探傷法としては,SV波斜角法,板波法,表面波法,SH波表面波法があげられる. 試験片を作成し,実験を行った.試験体は厚さ9mm,幅150mm,長さ300mmの鋼板とコンクリート(モルタル)である.幅および長さが300mm,高さが200mm程度の型枠を木で作り,コンクリートを流し込んだ.コンクリートが硬化する前に,コンクリートを貫通するように鋼板を差し込み,貫通斜材を模した試験体とした.鋼板には腐食による断面欠損を模擬するためにドリルで孔を開けている.ドリルによる孔は直径5mmであるが,鋼板の板厚である9mmの半分までのものと,全断面貫通の孔の2種類を作成した. 鋼材の断面欠損の度合い(孔の有無と深さ),コンクリートの有無を条件パラメータとしながら孔からのエコー反射が得られるかを検討した.SV波ではコンクリート界面からの雑音エコーは得られなく,孔からのエコーをとらえることが可能であった.しかし,斜角の条件により探触子を前後に走査する必要があることがわかった.SH波ではコンクリート界面からの雑音を受けなかったこと,および探触子を前後走査しなくともエコーを受信することができた.表面波はコンクリート界面からの雑音が激しく,孔からのエコーを識別することは困難であった.板波は長距離を伝播するといった特性があるが,周波数により波速が変わる性質もある.板波も雑音の影響を受けやすかったことなどより,適用性は低いものであった.
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